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2016/10/06

SGH 観光開発・サハリン研修 Part 1

高校3年LAコースの「観光開発講座」では, JTB北海道と連携し, 現代社会において一産業として確立した「観光業」に焦点をあて, 「地域と観光の連関性」をテーマに, 観光とまちづくり, 観光プランニングなどを学んでいます。そして, 地域の特色を総合的に捉え, 観光業を軸にした新たな地域の可能性を発見し, 我々独自の視点で新たな観光プランニングをしてゆくことを目標としています。
 今回我々は, 9月28日(水)~10月1日(土)の3泊4日にわたり, ロシア・サハリン州, ユジノサハリンスク・コルサコフにおいて, 観光開発講座受講生徒5名+他コースからの参加者2名を加えた総勢7名で, 観光開発フィールドワークを行いました。我々のテーマは「ボーダーツーリズム(国境観光)」。8月に行われた稚内研修の続編として, 稚内・サハリン, 2つの「点」を「線」でつなぐ国境観光プランニングをするため, 「国境とはそもそもどういうものか」を考え, 「サハリン観光の未来」について我々独自の視点で新たな観光プランを作成すべく, 地域調査を実施しました。
 行程1日目は移動のみ。週に2便, 札幌(新千歳)とサハリン(ユジノサハリンスク)を結ぶ直行便が運航されており, 所要時間はわずか1時間。東京や大阪に行くよりも近い, それでありながら「遠い外国」であったサハリンに向けて我々は旅立ちました。サハリンはかつて「樺(から)太(ふと)」と呼ばれ, 日露戦争に勝利した日本が1905年のポーツマス条約で北緯50度線以南の土地を割譲され, アジア太平洋戦争終結の1945年まで, 日本が統治をしていた場所です。ユジノサハリンスクは日本時代「豊原(とよはら)」と呼ばれた街で, 札幌をモデルに作られたといわれる, 碁盤の目状の街区配置と直線道路が美しい, サハリン州の中心都市です。我々は2日目以降の現地調査に備え, 到着後夕食を済ませ, 早めに就寝しました。
 行程2日目はユジノサハリンスク市内において観光開発フィールドワークを実施。まずは, 今回の研修で最もお世話になった, 現地の情報拠点でもある北海道サハリン事務所において, 在ユジノサハリンスク日本国総領事館勤務の領事(医務官)の石田 高明氏と, サハリン事務所主査の高橋 誠氏よりサハリンの概要について, お話を頂きました。その後は, 市内に点在する日本統治時代の遺構を巡り, 観光資源化を考えるフィールドワークを行いました。現在では菓子工場となっている, 旧樺太製糖豊原工場では, 高橋氏の交渉により, 工場見学が実現。工場長さんから工場で生産しているお菓子とお茶を頂き, 温かいもてなしを受けました。またこの日の午後には, 今回の研修の実現に協力を頂いたサハリン州政府を表敬訪問しました。サハリン州側も, 人材交流に積極的であることを我々もはっきり認識し, 「今後もさらに友好的な関係を築けていきたい」と, 大変ありがたいお言葉も頂戴しました。

Part 2へ続く