お知らせ

2023/04/24

高校生直木賞校内選考会で『汝、星のごとく』を選出、地方予選大会へ！

　4月15日に本校メディアセンターで高校生直木賞校内選考会が開催されました。高校生直木賞とは、全国の高校生たちが集まって議論を戦わせ、直近１年間の直木賞の候補作から「今年の１作」を選ぶ試みです。本校は昨年の第９回高校生直木賞に参加、校内文芸誌『慶』副編集長（当時）の梶浦拓音さんが代表として５月の全国大会に出場し、大激論の末に『同志少女よ、敵を撃て』を受賞作に選びました。第10回となる今年の候補作である『地図と拳』『夜に星を放つ』『しろがねの葉』『汝、星のごとく』『スタッフロール』の５作品をすべて読了した６名の生徒が、本校として１位に推すベストの１作を話し合いで決める校内選考会に臨み、３時間に及ぶ議論の末に『汝、星のごとく』を選出しました。今年の本校代表生徒は、校内文芸誌『慶』副編集長の小川夏季さん。5月7日の地方予選大会を経て、5月21日東京開催の全国大会で、全国43校の高校生たちの議論によって第10回高校生直木賞の受賞作が選ばれます。全国大会の模様は文藝春秋社発行の月刊誌「オール讀物」で紹介される予定です。読書を愛する高校生たちの熱い議論に期待しましょう。校内選考会に参加した生徒の感想を紹介します。

小川夏季（高校１年生）
「直木賞候補作5冊を読み、それについて語らう時間は、非常に楽しいものでした。候補作に心を揺さぶられ、それを言語化して誰かに話して、誰かの感想を聞いて新たな魅力に気がつく。1人で読書をするのも楽しいですが、このような体験をすることで、より深みのある感想を持ち、『忘れられない作品』になるのだろうと感じました。私は『地図と拳』を最も好きになりましたが、この選考会に参加していなければ、このような分厚く無骨な本を手に取ることはなかったと思います。『地図と拳』は私にとって、今までにない読書体験ができた一冊であり、同時に、自分の生き方を見直すことを促してくれました。選考会に誘ってくださった先生、メディアセンターを使わせてくださった司書さんに深い感謝を申し上げます。地方予選大会が今から楽しみです。」

佐々木希（高校１年生）
「私は初めて高校生直木賞の校内選考会に参加しました。選考会では、自分では考えつかないような意見を聞けたり、うまく言語化できなかった感覚を誰かが言葉にしてくれたり、大変いい経験となりました。さらに、話している中で思いついたこともあり、自分一人で読んだ時の何倍もの深さで物語を読むことができました。特に、『地図と拳』『スタッフロール』は皆さんの意見がおもしろかったです。舞台や主人公が独特な設定であるこの二作は、人によって描写の受け取り方が違ったり、物語に異なった雰囲気を感じ取ったりしていました。場所を貸してくださった司書さんと、私に新しい物語の解釈を教えてくれたほかの参加者さんに、感謝します。」

西岡咲乃（中学２年生）
「今回の高校生直木賞候補作は様々なジャンルの魅力的な作品が集まりました。それぞれの作品について語る中で、自分の思いつかなかったような考え方や、視点に新しく気づくことができました。また、選考会を通して『人の価値観』『どう生きるべきか』ということにもふれることができ、学びの深い時間を過ごすことができました。それらに加え、今回は作家ごとにある『説明の量』や『台詞の挟み方』、『登場人物ごとの台詞の分け方』など文章の個性や技術についても焦点をあてて話し合いました。自分は今まで本を読んでいてそのような文章の工夫の仕方に注意を払ったことがあまりなかったため、これからの読書にも生かしたいと感じました。最終的には、私は最初の意見と変わらず、『汝、星のごとく』を推しましたが、他の四冊に関しても、このような様々な視点から見ることができたため、それぞれの良さや面白さに気づくことができました。また来年も高校生直木賞に参加したいです！」

梅本羽衣（中学２年生）
「高校生直木賞の校内での選考会は、本が読者に与える影響を強く感じる時間となりました。今回の対象作となっていた作品は、私たち読者の人生観に訴えかけるとともに、日常生活での視野を広げてくれるものばかりでした。多角的な視点からの討論の末、立命館慶祥高校イチオシの本として選ばれた凪良ゆうさんの『汝、星のごとく』もその一つです。私はこの作品を読んで、自分の固定観念を打ち砕かれました。学年も普段読んでいる本のジャンルも異なる慶祥生と作品について語ったことはとても楽しく、新たな本の魅力を発見することができました。その作品について深く知るにつれて、作者の方の表現の美しさや巧さを実感し、言葉の生かし方について考えさせられました。今後、さらにたくさんの本を読み、自分の感性を磨き、来年も高校生直木賞に参加しようと思います。」

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