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2015/12/12

SGH アジア学高大連携講座第3弾

 JBコースの「アジア学」講座は,立命館アジア太平洋大学(APU)との高大連携講座です。APUの先生に本校にご来校いただき,2時間の授業を実施。1・2週間後に,本校とAPUとをテレビ回線で繋ぎ,サテライト授業を2時間実施します。


 今年度第3弾の連携講座は,APUアジア太平洋学部(APS)の井口先生です。井口先生の研究領域は「地域研究と思想史」であり,主な対象地域はマレーシアです。今回の高大連携講座では,APUでご担当しているMulticultural Studiesをベースに,記号論の手法を取り入れた授業をしていただきました。


◎授業内容—————————————


11/13(金)3・4時間目

 旅行ガイドブックの表紙から,E.サイードのオリエンタリズムを理解し,私たちにもその影響があることを認識させるという授業を行いました。普段,何気なく見ている旅行ガイドブックには,作り手側または買い手側のその国に対するイメージ(プラス面・マイナス面の両方)が表れており,そこにオリエンタリズムを見出すことができます。

 生徒たちへの課題は,今回の講義を参考に,それぞれがどこかの国を紹介する旅行ガイドブックを選び,そこにある要素,それが示す意味,そしてオリエンタリズムの影響を観察・考察するとうものでした。


12/04(金)3・4時間目

 本時は生徒たちによる発表です。生徒を8グループに分け,5分間のプレゼンを行いました。

(1)ベトナム:ベトナム=赤というイメージに着目した分析

(2)フィリピン:人ではなく風景に着目した分析

(3)エジプト:キリスト教的イメージを排除し,文化遺産にのみを扱うことの意味を分析

(4)韓国:日本のガイドブックを取り上げ,日本が韓国に対して持つイメージは欧米と異なる点を分析

(5)シンガポール:伝統と現代の双方を取り上げていることを分析

(6)モルディブ:リゾート地のみをアピールする点を分析

(7)ドバイ:現代建築を表紙に出すことの意味を分析

(8)ミャンマー(ビルマ):東南アジアの他の国(とりわけタイ)と同様のイメージであることを分析


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 E.サイードのオリエンタリズムを全て理解することは,高校生にとっては大変難しいですが,旅行ガイドブックというわかりやすい例を用いることで,直感的に理解することができました。この授業を通して,私たち日本人の中にもオリエンタリズムが浸透しており,それが自然に作用することで偏見・先入観を抱いてしまい,他の文化への真の理解を妨げることも有り得ることを認識しました。

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