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2017/02/23

スタンフォード大学研修~ INNOVATIVE STUDIES @STANFORD~

大学入学を控え正規授業が終了したこの時期を利用して大学入学後の学びの動機を高める目的で立命館大学・立命館アジア太平洋大学進学予定高校3年生を対象に実施しました。スタンフォード大学で取り組んでいる日本では体験できない取り組みを学ぶ機会となりました。

・起業教育のティナ・シーリグ先生に学ぶ

 起業教育の分野において日本でも有名なティナ・シーリグ先生の授業を受けた後にQ&Aの実施を受け入れて頂きました。
起業教育のティナ・シーリグ先生に学ぶ

 イノベーションについて、失敗をすることについて、プレゼンテーションで心掛けるべきこと、人生で一番大切にしていることなど、生徒全員が1対1で質問に答えて頂ける素晴らしい機会となりました。起業家講座の教科書で採用している彼女の著作「What I wish I knew when I was 20」をはじめ、彼女の他の著作の内容を事前に学び,本の内容を深める貴重な時間となりました。

・シリコンバレー企業訪問 と現地日本企業

 ベンチャー企業が数多く存在するアップルやグーグルの本社やインテルのミュージアムを訪問しました。また「プラグ&プレイ」というベンチャー起業家と投資家の出会いを提供する企業を訪問しました。日本航空の大村所長から現地でベンチャー企業が育つ背景や実情についてレクチャーを頂きました。日米の主張の伝え方の違いについて生徒たちは学ぶことが多いお話しを頂きました。当日は起業家が投資家に対して投資を募るためのプレゼンテーション“ピッチ”が行われていました。投資家がピッチ直前まで入念に準備している様子や、ピッチ後に商談をしている姿が会場周辺で見られました。これぞシリコンバレーという現場を見学しました。

・授業見学・Dスクール訪問

現地学生が受講しているいくつかの授業を見学しました。広いキャンパスを自転車やスケートボードなどを利用して急いで移動する学生の姿に驚きました。また、どの授業も授業を受ける姿勢や集中度の高さに生徒たちは感心していました。その後、MBAの授業も見学しました。参加学生の国籍や年齢が多様なことであり、世界中から学生が集まっていることがすぐにわかりました。また、授業中に実際の起業家と教授による説明に対して、活発な質問が頻繁に投げかけられる姿勢は真剣そのものであり、世界1・2のランキングを争うビジネススクールの授業にあっという間に時間が過ぎる迫力を感じました。
 Design schoolではイノベーションを生み出すための思考訓練の模擬授業を体験しました。本校生徒たちは他の参加者とブレインストーミングを経て、試作品を作る経験を得ました。座学ではなく体験しながら学ぶ時間となりました。

・河田コーチ訪問

  スタンフォード大学でフットボールコーチを10年間務められている河田剛さんのご好意によりフットボールオフィスを訪ねました。日米のスポーツ文化や制度には圧倒的な違いがあることを知りました。米国で得られた知見を日本のスポーツ事情と比較しながらお話しして頂きました。内容は部活動から大学スポーツ、オリンピック、プロスポーツなど多岐にわたり、様々な改善点を指摘されました。また、スタンフォードが学業だけではなく、スポーツでも世界的な地位を築くために億を超える多額の寄付金を申し出る卒業生が数多く存在することや、フットボール部のヘッドコーチには億を超える給料が支払われ、部としても年間で数十億円の利益を生み出すことなど日本では考えられない話しを紹介して頂きました。

・学食

 一般人にも開放されている食堂ではふんだんに野菜が並べられており、パフォーマンスダイニングとして医学部などと連携し、脳や体に良い効果をもたらす食事を学生に提供していました。日本の大学の学食では見られない取り組みに驚きました。日本では見慣れない野菜や食べ物もありましたが、ベジタリアン向け、ヴィーガン向け、グルテンフリーなど食の嗜好に合わせて選択できるように表示をするなど利用者の食の多様性を認める工夫が見られました。

・バスケットボール試合観戦

 学内敷地にあるバスケットボールコート、メイプルパビリオンにて地区最大のライバルであるカリフォルニア大学バークリー校との一戦を見学しました。ゲームだけではなく、タイムアウトの時間も観客が楽しむことができる工夫が随所に見られ、試合プラスアルファの楽しみを提供する意図でゲーム進行が計画されていました。大学同士のリーグ戦の一試合とは思えないほど賑わっていました。スポーツ観戦を通じて大学の抜け目ないビジネスマインドを感じました。

◎生徒感想抜粋

・自分が解決したい問題に目を向け、海外の企業に負けないような自分の企業を立ち上げることを夢で終わらせずに実現する。そう決めることができた研修になりました。

・日本は一つのことをずっとすることが美徳だとされているから、それがいいことだと思っていましたが、その考え方が180度変えられました。

・日本の社会のシステムを変えることはそう簡単なことではないし、伝統も変えることは難しいと思います。変えるとしたら相当難しいですが、「変えるきっかけを作るくらいでもいいから、日本の社会を変えたい」と強く思いました。