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2018/02/01

中3 平和学習 ジュネーブから慶祥へ

  本校の中学3学年は,慶祥高校への内部進学を控えた1月~3月のLHR活動を利用して,平和学習を行っています。高校受験対策の必要がない一貫校の強みを活かした取り組みです。昨年度の先輩(中学15期)たちは,SDGsをテーマに,世界の諸課題について自分達ができることを考え,発表しました。今年のテーマは,「対立と合意」について「核軍縮」をテーマに考えるです。世界の諸課題を解決に導くために鍵をにぎる,利害の対立と合意形成の難しさについて,2017年度,報道されることが多かった核兵器の問題をとおして学ぶチャレンジです。

 1月中旬のガイダンスを経て,1月31日(水)に,1回目の全体学習会が行われました。ゲストは,明治大学に在学中の下町舞(しもまち まい)さんです。本校の卒業生でもある下町さんは,在学中に高校生平和大使に応募し見事合格。日本代表の高校生の1人として,スイスのジュネーブにある国連欧州本部で核廃絶スピーチを行った経験を持っています。この日は,下町さんが平和大使として活動する中で感じた,核廃絶の必要性と核廃絶の難しさについて,様々なエピソードをもとに貴重なお話がありました。最後の質疑応答でも中3生の素晴らしい質問と下町さんの誠実な回答に,会場は大いに盛り上がり,生徒にとってあっという間の1時間となりました。

 「私達は戦争経験を直接聞くことができる最後の世代として,今,重要な立ち位置にいる。」「過去から現在・未来を見つめて,あやまちを繰り返さない。」「私達ができることは微力だけど無力じゃないよ。」下町さんは,ジュネーブでの経験の1つ1つを,これらの言葉にのせて後輩に託してくれました。中学3年生は、今回の学習会を通じて,「核廃絶の主張」について深く学ぶことができました。次回は,立命館大学国際関係学部の君島東彦先生を京都からお招きし,「核兵器とは何か」と題して,核を肯定する立場の主張を学びます。難しいテーマですが,考えることに意味があります。ピースメーカーとしての第一歩を踏み出した中学3年生の成長にご期待ください。

文責:山口太一(学年主任)