学校生活

理数教育

SSH

2018/08/09

数理・科学チャレンジ サマーキャンプ2018を実施


全道の中学生・高校生を対象に,立命館慶祥中学校・高等学校で数理・科学チャレンジ サマーキャンプ2018を実施しました。(SSH重点枠)

 数理・科学チャレンジは,物理,化学,生物,地学,数学の国際科学オリンピックに挑戦する全道の中学生・高校生のための学習会です。 数理・科学チャレンジ サマーキャンプ2018は,8月7日(火)~9日(木)の3日間,慶祥の校舎を使用して実施され,慶祥と全道の中学生・高校生75名が学習に参加しました。

 慶祥中学生・高校生49名,道内の中学生高校生26名,計75名が参加しました。

 

 【発展コース】(国内1次予選,2次選抜に挑戦)
  「物理a」6名
  「化学a」8名
  「生物a」7名
  「地学a」6名
  「数学a」9名
 【入門コース】(科学オリンピックとは何か知りたい。数学Jr.に挑戦)
  「物理・化学・生物b」15名
  「地学b」9名
  「数学b」15名

 参加者の学校は次のとおりです。
 【高等学校】
  札幌南,旭川東,釧路湖陵,函館ラ・サール,札幌日本大学,藤女子,立命館慶祥
 【中学校】
  北海道教育大付属札幌,札幌市立向陵,同手稲,恵庭市立柏陽,北嶺,札幌日本大学,立命館慶祥
 【中等教育学校】
  市立札幌開成

発展コース[物理a]

 前半は,並木雅俊先生(高千穂大学教授)による講義と物理チャレンジの過去問題の演習です。物理チャレンジの問題では,発想を豊かに物理の基礎をよく理解していることが大切です。参加者は,自分の解答と模範解答を比べ,物理学的な見方・考え方を深めていました。
 後半は,近藤泰洋先生(元東北大学教授)による「重力加速度の測定」の実験です。参加者は,一人一箱の実験セットを使って,振り子の運動や,斜面を降下する小球の運動を調べるなど,実験を工夫してレポートにまとめました。ほぼ1日の実験時間は,あっという間に過ぎ,最後の1分まで粘り強く集中して取り組む参加者の姿が印象的でした。
 物理では,理論と実験の両輪が大切なことを体験的に学習しました。

発展コース[化学a]

 前半は三好徳和先生(徳島大学教授)に講義をしていただきました。1日目に化学の導入として,科学史に触れながらアボガドロ定数や原子モデルについて, 2日目の前半に,物質を扱う上で基本となる化学結合と分子間力について学びました。参加者は,授業で学習した内容の裏側を知り,化学の面白さを再確認していました。
 後半は権谷佐織先生(横浜国立大学非常勤講師)に替わり,アボガドロ定数の測定について講義を受け,測定実験を行いました。実験器具の正しい使い方や,精密な測定方法のレクチャーのあと真剣に取り組んでいました。改めて正確な実験をすることの難しさを感じたようです。最後は化学グランプリの過去問を解き,今回のキャンプでの学習がとても大切なことを再確認しました。
 3日間にわたり,化学の基礎となる部分をしっかり学ぶ事ができました。

発展コース[生物a]

 前半は,谷津潤先生(佐野日本大学高等学校教諭)によるDNA電気泳動実験,ショウジョウバエの個体・生殖巣・胚の観察です。
 後半は,森長真一先生(日本大学助教)による生物の適応,利他行動・社会性,血縁度の計算,形態進化に関与する遺伝子の役割,盲斑検出の実験などを行いました。
 中学2年生から高校2年生まで学年はさまざまで,「酵素」や「DNA」などについての基礎知識の理解度はばらばらですが,目の前で行われている現象を理解しその理由を考えることに関して全員が努力して,講師の先生の想定を超えてさらに先の議論を展開している姿も見られました。講義でショウジョウバエの胚の生殖細胞と成体の卵巣の形成過程との関係について議論を行ったり,胚の生殖細胞を実際に数えたりすることにより,普段の授業とは異なる,「研究」としての活動を行いました。

発展コース[地学a],入門コース[地学b]

 発展コースは栗原憲一先生(北海道博物館学芸員),入門コースは圓谷昂史先生(北海道博物館学芸員)に担当していただきました。
 一日目は発展コースと入門コースの合同講義です。北海道の化石の概要とフィールドワークの方法について,講師の先生からクイズをまじえて説明を受けました。二日目の巡検に用いる粘土表を各自が作成しました。
 二日目は合同で三笠に巡検しました。三笠市博物館では,陳列された巨大なアンモナイトの数々にビックリ。三笠市博物館学芸員から三笠周辺の地質と展示化石について説明を受けました。昼食後,1億年前の地層が現れている山中に移動して化石を採集しました。夏の暑さで汗をかきながらも懸命にハンマーを振るい,二枚貝などの化石を採集しました。発展コースの6名は採集の後テクノメーターを用いた地質調査の方法について学習しました。
 三日目,発展コースは講師の先生の研究について説明を受け,「古生物学的研究とは何か」「科学するとはどういうことか」を語る先生の言葉から多くのことを学び取ることができました。入門コースは前日に採集した化石をクリーニングし,それを同定する作業に取り組みました。採集箱に収められた化石はこの夏の思い出の一つとなりました。

発展コース[数学a]

 藤田岳彦先生(中央大学教授)には数学オリンピックの問題解説を中心に90分×4コマ,前田吉昭先生(東北大学特任教授)には幾何学の内容を90分×2コマを担当していただきました。
 藤田先生の講義は,難易度の高い内容を高校1年生にも理解しやすいように段階的に説明され,問題文の捉え方や裏に含まれた意図なども解説いただき,受講生は問題の本質をつかみながら取組んでいました。
 前田先生の講義では,受講生は,中学の知識レベルでも対応できるものから難解なものまで,幅広い問題に取組んでいました。

入門コース[物理,化学,生物b]

[生物b]

 講義(1)(3)は生物bです。鳥邊直樹先生(慶祥高校教諭)が担当しました。ショウジョウバエを材料に,観察に主眼を置いた学習を行いました。1時間目は双眼実体顕微鏡を使って腹部先端の形の違いから雄雌を見分けることができるようになりました。2時間目は,突然変異体の白眼個体と野生型の赤眼個体による交配を考える模擬遺伝実習を行いました。標本を眼の色と雌雄で分けて個体数を数え,両親のかけあわせを推測する難しい課題でしたが,受講生は仲間と相談しながら一生懸命に取り組んでいました。

[化学b]

 講義(4)(5)は化学bです。八島弘典先生(慶祥高校教諭)が担当しました。金属原子には電子を放り出して陽イオンになろうとする性質があります。異なる種類の金属の間でつなぎ方を工夫すると電流として取り出すことができる電池となります。今回は身近にある銅とアルミニウムを使って電池を作ることをとおして,化学反応で大きな役割を果たす電子の動きを学習しました。

[物理b]

 講義(6)(7)は物理bです。渡邉文子先生(慶祥中学校教諭)が担当しました。今回はレンズの性質について実験や工作をとおして学習しました。1時間目は光学台を使って,レンズを通った光線がどのように進むのか測定し,数式で表される関係について考えました。2時間目は凸レンズが作る実像を確かめることができる望遠鏡型カメラを,受講生おのおのが厚紙で作りました。

入門コース[数学b]

 入門コース数学bは,組み合わせ・代数・幾何の3つのテーマについて,それぞれ90分の講義を2回ずつ実施しました。
 組み合わせ数学については,前田吉昭先生(東北大学特任教授)に担当していただき,高校生で扱う組み合わせの基本的な内容を用いてジュニア数学オリンピックの問題にチャレンジしました。
 代数については,?橋努先生(慶祥高校教諭)が担当し,ジュニア数学オリンピックの数論の問題から国際大会の問題にチャレンジしました。
 幾何については,西田久志先生(慶祥高校教諭)が担当し,ポリロドンというプラスチックの棒を用いて様々な多面体を作製し,それぞれの多面体が持つ性質を学びました。
 受講生は,高校やそれ以上の内容についても積極的に学び,知識を得るだけでなく仲間と深く考えることに目を輝かせて取り組んでいました。

 

 数理・科学チャレンジ サマーキャンプ2018は,8月7日(火)~9日(木)の3日間,慶祥の校舎を使用して実施され,慶祥と全道の中学生・高校生75名が学習に参加しました。

 数理・科学チャレンジは,物理,化学,生物,地学,数学の国際科学オリンピックに挑戦する全道の中学生・高校生のための学習会です。

 慶祥中学生・高校生49名,道内の中学生高校生26名,計75名が参加しました。

 

 【発展コース】(国内1次予選,2次選抜に挑戦)
  「物理a」6名
  「化学a」8名
  「生物a」7名
  「地学a」6名
  「数学a」9名
 【入門コース】(科学オリンピックとは何か知りたい。数学Jr.に挑戦)
  「物理・化学・生物b」15名
  「地学b」9名
  「数学b」15名

 参加者の学校は次のとおりです。
 【高等学校】
  札幌南,旭川東,釧路湖陵,函館ラ・サール,札幌日本大学,藤女子,立命館慶祥
 【中学校】
  北海道教育大付属札幌,札幌市立向陵,同手稲,恵庭市立柏陽,北嶺,札幌日本大学,立命館慶祥
 【中等教育学校】
  市立札幌開成

発展コース[物理a]

 前半は,並木雅俊先生(高千穂大学教授)による講義と物理チャレンジの過去問題の演習です。物理チャレンジの問題では,発想を豊かに物理の基礎をよく理解していることが大切です。参加者は,自分の解答と模範解答を比べ,物理学的な見方・考え方を深めていました。
 後半は,近藤泰洋先生(元東北大学教授)による「重力加速度の測定」の実験です。参加者は,一人一箱の実験セットを使って,振り子の運動や,斜面を降下する小球の運動を調べるなど,実験を工夫してレポートにまとめました。ほぼ1日の実験時間は,あっという間に過ぎ,最後の1分まで粘り強く集中して取り組む参加者の姿が印象的でした。
 物理では,理論と実験の両輪が大切なことを体験的に学習しました。

発展コース[化学a]

 前半は三好徳和先生(徳島大学教授)に講義をしていただきました。1日目に化学の導入として,科学史に触れながらアボガドロ定数や原子モデルについて, 2日目の前半に,物質を扱う上で基本となる化学結合と分子間力について学びました。参加者は,授業で学習した内容の裏側を知り,化学の面白さを再確認していました。
 後半は権谷佐織先生(横浜国立大学非常勤講師)に替わり,アボガドロ定数の測定について講義を受け,測定実験を行いました。実験器具の正しい使い方や,精密な測定方法のレクチャーのあと真剣に取り組んでいました。改めて正確な実験をすることの難しさを感じたようです。最後は化学グランプリの過去問を解き,今回のキャンプでの学習がとても大切なことを再確認しました。
 3日間にわたり,化学の基礎となる部分をしっかり学ぶ事ができました。

発展コース[生物a]

 前半は,谷津潤先生(佐野日本大学高等学校教諭)によるDNA電気泳動実験,ショウジョウバエの個体・生殖巣・胚の観察です。
 後半は,森長真一先生(日本大学助教)による生物の適応,利他行動・社会性,血縁度の計算,形態進化に関与する遺伝子の役割,盲斑検出の実験などを行いました。
 中学2年生から高校2年生まで学年はさまざまで,「酵素」や「DNA」などについての基礎知識の理解度はばらばらですが,目の前で行われている現象を理解しその理由を考えることに関して全員が努力して,講師の先生の想定を超えてさらに先の議論を展開している姿も見られました。講義でショウジョウバエの胚の生殖細胞と成体の卵巣の形成過程との関係について議論を行ったり,胚の生殖細胞を実際に数えたりすることにより,普段の授業とは異なる,「研究」としての活動を行いました。

発展コース[地学a],入門コース[地学b]

 発展コースは栗原憲一先生(北海道博物館学芸員),入門コースは圓谷昂史先生(北海道博物館学芸員)に担当していただきました。
 一日目は発展コースと入門コースの合同講義です。北海道の化石の概要とフィールドワークの方法について,講師の先生からクイズをまじえて説明を受けました。二日目の巡検に用いる粘土表を各自が作成しました。
 二日目は合同で三笠に巡検しました。三笠市博物館では,陳列された巨大なアンモナイトの数々にビックリ。三笠市博物館学芸員から三笠周辺の地質と展示化石について説明を受けました。昼食後,1億年前の地層が現れている山中に移動して化石を採集しました。夏の暑さで汗をかきながらも懸命にハンマーを振るい,二枚貝などの化石を採集しました。発展コースの6名は採集の後テクノメーターを用いた地質調査の方法について学習しました。
 三日目,発展コースは講師の先生の研究について説明を受け,「古生物学的研究とは何か」「科学するとはどういうことか」を語る先生の言葉から多くのことを学び取ることができました。入門コースは前日に採集した化石をクリーニングし,それを同定する作業に取り組みました。採集箱に収められた化石はこの夏の思い出の一つとなりました。

発展コース[数学a]

 藤田岳彦先生(中央大学教授)には数学オリンピックの問題解説を中心に90分×4コマ,前田吉昭先生(東北大学特任教授)には幾何学の内容を90分×2コマを担当していただきました。
 藤田先生の講義は,難易度の高い内容を高校1年生にも理解しやすいように段階的に説明され,問題文の捉え方や裏に含まれた意図なども解説いただき,受講生は問題の本質をつかみながら取組んでいました。
 前田先生の講義では,受講生は,中学の知識レベルでも対応できるものから難解なものまで,幅広い問題に取組んでいました。

入門コース[物理,化学,生物b]

[生物b]

 講義(1)(3)は生物bです。鳥邊直樹先生(慶祥高校教諭)が担当しました。ショウジョウバエを材料に,観察に主眼を置いた学習を行いました。1時間目は双眼実体顕微鏡を使って腹部先端の形の違いから雄雌を見分けることができるようになりました。2時間目は,突然変異体の白眼個体と野生型の赤眼個体による交配を考える模擬遺伝実習を行いました。標本を眼の色と雌雄で分けて個体数を数え,両親のかけあわせを推測する難しい課題でしたが,受講生は仲間と相談しながら一生懸命に取り組んでいました。

[化学b]

 講義(4)(5)は化学bです。八島弘典先生(慶祥高校教諭)が担当しました。金属原子には電子を放り出して陽イオンになろうとする性質があります。異なる種類の金属の間でつなぎ方を工夫すると電流として取り出すことができる電池となります。今回は身近にある銅とアルミニウムを使って電池を作ることをとおして,化学反応で大きな役割を果たす電子の動きを学習しました。

[物理b]

 講義(6)(7)は物理bです。渡邉文子先生(慶祥中学校教諭)が担当しました。今回はレンズの性質について実験や工作をとおして学習しました。1時間目は光学台を使って,レンズを通った光線がどのように進むのか測定し,数式で表される関係について考えました。2時間目は凸レンズが作る実像を確かめることができる望遠鏡型カメラを,受講生おのおのが厚紙で作りました。

入門コース[数学b]

 入門コース数学bは,組み合わせ・代数・幾何の3つのテーマについて,それぞれ90分の講義を2回ずつ実施しました。
 組み合わせ数学については,前田吉昭先生(東北大学特任教授)に担当していただき,高校生で扱う組み合わせの基本的な内容を用いてジュニア数学オリンピックの問題にチャレンジしました。
 代数については,?橋努先生(慶祥高校教諭)が担当し,ジュニア数学オリンピックの数論の問題から国際大会の問題にチャレンジしました。
 幾何については,西田久志先生(慶祥高校教諭)が担当し,ポリロドンというプラスチックの棒を用いて様々な多面体を作製し,それぞれの多面体が持つ性質を学びました。
 受講生は,高校やそれ以上の内容についても積極的に学び,知識を得るだけでなく仲間と深く考えることに目を輝かせて取り組んでいました。