お知らせ

2021/05/10

高校生直木賞校内選考会で『雲を紡ぐ』を選出、全国大会へ！

５月８日に本校メディアセンターで高校生直木賞校内選考会が開催されました。高校生直木賞とは、全国の高校生たちが集まって議論を戦わせ、直近１年間の直木賞の候補作から「今年の１作」を選ぶ試みです。本校は昨年の第７回高校生直木賞に初参加、校内文芸誌『慶』編集長の小山杏樹さんが代表として８月の全国大会に出場し、大激論の末に大島真寿美さんの『渦』を受賞作に選びました。第８回となる今年の候補作である『雲を紡ぐ』『八月の銀の雪』『オルタネート』『心淋し川』『少年と犬』の５作品をすべて読了した６名の生徒が、本校として１位に推すベストの１作を話し合いで決める校内選考会に臨み、３時間にわたる議論の末に『雲を紡ぐ』を選出しました。今年の本校代表生徒は、校内文芸誌『慶』編集部員の三浦真桜さん。５月３０日開催の全国大会で、全国３１校の高校生たちの議論によって第８回高校生直木賞の受賞作が選ばれます。全国大会の模様は文藝春秋社発行の月刊誌「オール讀物」で紹介される予定です。読書を愛する高校生たちの熱い議論に期待しましょう。

三浦真桜さん（高校２年生）
「初参加の高校生直木賞校内選考会で、私は『雲を紡ぐ』を推しました。美しい情景描写に絡まりあった人間関係がほどけてきれいに絡み合わさるさまは、この本の主軸である『織り物』と重なって、とてもひきつけられる作品です。選考会では意見がバラけ、他４冊についての考えを深く聞くことができ、非常に有意義な時間でした。特に『心淋し川』は面白い本、という感想しか持っていなかったのですが、他の人の意見を聞いて、作品の新たな一面を見ることができたと思います。校内代表として、全国大会で他校と意見を交換するのが今から楽しみです。」

小山杏樹さん（高校２年生）
「私は最初、『八月の銀の雪』『オルタネート』『少年と犬』の３つから、悩んだ末に『少年と犬』を一番に推すことにしました。他の５人の推す本と理由を聞いて、自分の考え方と大きく違う意見もあるということがわかり、自分の意見と他人の意見の違いを楽しむことができました。『高校生直木賞』を選ぶ基準というものが本当に曖昧で、そもそも『高校生直木賞とは何なのか』という大きな疑問にぶつかりながらも、最後には『雲を紡ぐ』に決定しました。自分が思う『良い本』が必ずしも相手にとっての『良い本』ではないこと、本に対する思いや、本の好み、読み方が大きく異なることを改めて感じる校内選考会でした。とても楽しかったです。ありがとうございました。」

寺田ふうさん（高校２年生）
「昨年参加することができなかったので、今年はまず５冊しっかり読み切ることができてよかったです。普段の読書は、スローペースであまり流行りなどではない本を読むことが多いので、最近発売された直木賞の候補作を一気に読むというだけで得られたものがあると思います。個人的に、一押しは『オルタネート』でしたが、『ついていけず、読むのが大変だった』という意見を聞いて驚きました。確かに、考えてみると世界設定が一部わかりづらいという面もあり、一人で読んでいるだけでは気づけなかったかもしれないことでした。そんなふうに、他の人の話を聞いたり、自分で思ったことを口にしたりすることで、より小説への理解が深められたと思います。全国の高校生の意見も聞いてみたいと思いました。全国大会の様子を見るのが楽しみです！」

田代優月さん（中学２年生）
「高校生と話すことがあまりなくて、自分の考えることを伝えられるか不安でした。しかし、みなさんの意見を聞いていくうちに自然と伝えることができてとても嬉しかったです。また、みなさんの本に対する思いがすごくて自分ももっと真剣に本と向き合いたいです。これからもたくさん本を読んでいきたいです。」

鈴木雛乃さん（中学２年生）
「今回の選考会では、登場人物の性格から装丁に至るまで、本に関することを何でも語ることができました。議論していると、物語の舞台や成り立ち、構成について気づくことが多くありました。今回立命館慶祥が推すことになった『雲を紡ぐ』について、最初は良い話だと思いつつ、これといった良さが見つけられずにいました。しかし、話し合っていくうち、登場人物の良さや、色、心情の描写の良さがたくさんあることに気づきました。また、本の装丁が羊毛を染めることをイメージしているのでは、という意見も出て、とても楽しめました。これからも読書を続けていき、来年も是非参加したいです。」

※高校生直木賞公式ウェブサイト

http://koukouseinaoki.com/

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