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お知らせ

2021/06/12

根岸英一先生、ありがとうございました

 ノーベル化学賞を受賞された根岸英一先生(アメリカ・パデュー大学名誉教授)が逝去されました。謹んでお悔やみ申し上げたいと思います。

 根岸英一先生は、2010年12月10日に、ストックホルムで行われた授賞式において、ノーベル賞を授与されました。それから2週間後の12月25日、立命館慶祥の生徒・保護者約1.800名を集めた「ノーベル賞受賞記念特別講演会」でご講演いただき、親しく、そしてにこやかに語りかけてくださいました。 

 「夢と幸せを求めて」という演題のもとで語られた根岸先生のお話は、学問と研究を踏まえ、夢の実現に向けてひたむきに努力する慶祥生に、揺るぎない学習動機を与えていただきました。

 大きな夢をかなえるため、最高の師を求めて世界に出たこと、生涯の研究テーマに出会ったこと、ひたすら研究に没頭したこと。

 先生のお話の中から、「夢を持ち続ける」ことの大切さを改めて噛みしめたことを、昨日のことのように思い出しております。

 講演会終了後、本校化学室において、先生を交え、慶祥生との懇談会を行いました。理数分野で研究したいという生徒に熱く語りかける先生のお姿に、生徒も教員も興奮しました。

 最後に、ノーベル賞メダルを一人ひとりに触らせてくださった時の感激は、筆舌に尽くすことができません。

 その時に先生が座られた椅子は、「根岸先生のノーベルチェア」として、10年経った今でも、化学室で初めて授業を受ける生徒に、教員が紹介する逸話となっております。

 先生のご講演から1年余り後の2012年4月、慶祥が文部科学省のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)に採択され、全国に誇る先進的な理数教育実践校として認められ、理数教育の一層の加速化を図ることができるようになったことは、あの時、先生が慶祥生や保護者にお与えいただいた感動と思想があったからこそと思います。

 ここに改めて、根岸英一先生に深謝し、ご冥福をお祈りいたします。

                                                                      立命館慶祥中学校・高等学校長 江川順一


(根岸先生の講演会については、当時のHP記事をご覧ください。URLは以下のとおりです。)
 http://www.ritsumei.jp/pickup/detail_j/topics/7516/date/12/year/2010