学校生活

2021/11/27

八重山コース「最南端の市」へ

 「八重山諸島コース」として実施された本研修ですが、もとは永井博登くんにより「東洋のガラパゴスへ行く:小笠原諸島コース」が起案されたことからスタートしたものです。しかしCOVID-19の感染拡大により小笠原諸島への入島制限が緩和されず、当初の予定を断念し、石垣島を中心とする「八重山諸島コース」としてリニューアルしたのが本研修です。

 事前学習では北海道と八重山諸島との比較の中から「疑問・仮定・提言」を抽出し、グループごとに発表し合うなどして学びを深めました。生徒たちの関心が向いていたのは大きく2点、気候帯が全く異なるなどの「自然」、そして北海道とは違った意味で大陸に近いことからもたらされる「文化」の違いでした。

 「自然」については、汽水域に生息するマングローブの観察や植樹活動を行い、自然保護と観光業との関連やそれらの両立について実感することができました。景勝地で知られる川平湾でのグラスボートや外洋でのシュノーケリングなど、北海道ではなかなか体験できないアクティビティも生徒の心に残ったようです。名蔵アンバルで干潟を歩いた際には、僅か数時間での潮の満ち引きで先程まで歩いていた干潟が冠水するなどのダイナミクスを目の当たりにしました。

 「文化」については、古くからの工法で作られる木造船「サバニ」を体験したほか、本来は旧盆の時期にしか行われない先祖供養の儀式である「アンガマ」を現地の青年会の方々のご厚意で特別に披露していただきました。20名以上の方々が、生徒たちを巻き込みながら様々な歌や踊り、楽器などを披露してくれたことから、この時間を研修中の一番の思い出として挙げる生徒も少なくありませんでした。

 札幌とは1時間10分ほどの時差があり、海の向こう、西表島の方向に沈む夕陽を18時ごろまで眺めることができました。コロナ禍の中ではありましたが、高校時代の大きな思い出の一つとなってくれたのではないかと思います。