学校生活

2021/11/27

東北コース「東日本大震災から10年 人と出会い、人から学ぶ」旅

2021年10月31日(日)から11月5日(金)の6日間で宮城、福島、宮城を回り東日本大震災について学びました。

事前学習では東日本大震災に関わる新書を読み、行き先について調べ学習を進め、復興に関わった立命館大学の先生の講義を受け、当時幼稚園児だった生徒は改めて震災の被害の大きさを認識し、研修に臨みました。

 初日から3日目午前は集落の大半を津波で流された岩手県宮古市田老地区で研修を行いました。初日の「学ぶ防災」プログラムでは震災の遺構や建設中の防潮堤を回り、津波の被害の大きさを実際に現地の空気に触れ、被災者の話を聞き、震災の恐ろしさと防災の重要性について学びました。

 2日目は当時の田老地区の避難所、宮古市役所、仮設の集会所のODENSEを回り、当時の避難所の状況や復興について避難所の運営に携わった方や行政の方の話を伺い、復興に携わった立命館大学の宗本先生も同行しこの10年間の復興の様子を学びました。

 初日夜、2日目夜は被災者の方と5人1グループになって語るテーブルトークを行いました。防災だけでなく地域社会や医療にも話は及び生徒の質問は尽きず、被災者と関わり直接交流できたことは貴重な経験になりました。

 3日目は田老第一中学校との交流会では震災を乗り越えて前向きに未来に向かう中学生から勇気をもらい、次世代へ教訓を引き継ぐことの重要性を学びました。

 3日目午後からは福島に移動し、福島第1原発の被災に関わる原子力災害の問題について学びました。福島では除染作業も進み復興が進む一方でいまだ帰宅が制限される地区が残り10年間人の手が入らず荒廃した街が残されていました。福島での3日間は未だ自宅に帰ることが出来ない富岡町の方が同行し、被災当時から今まで残る問題や復興についての話を聞き直接質問をしながら福島を回ることが出来ました。当時半径30キロメートル以内で被災した病院の院長先生から物資もつき、限界の状況で行った医療についての話を聞くことが出来ました。福島第1原発では防護服を必要とする放射線量ではなかったものの瓦礫の残る原発を間近で見て、東京電力の社員の方に直接質問をすることが出来ました。また、NPO法人ハッピーロードネットでは地元愛溢れる地元高校生が地元も貯めに桜の木を植え復興に貢献するプロジェクトを知り、ボランティア活動の在り方についても考えさせられました。

 最終日の東北大の見学では、工学部の川添名誉教授の講義を通して既存の知識にとらわれることなく思考することの重要性を学び、トップレベルの教育機関の東北大学を見学して大学で学ぶことについても考える機会になりました。

 東北研修は観光的な時間がほとんどないコースでしたが、人との交流を通じて答えのない問いについて考える。慶祥らしい研修を行うことが出来ました。