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2022/01/08

イオンワンパーセントクラブ 「アジア ユースリーダーズ 2021」3日目

 12月22日にイオンワンパーセントクラブ「アジア ユースリーダーズ2021」が最終日を迎えました。午前中、生徒たちは各グループに分かれ、発表準備や練習を行いました。発表テーマはこの三日間にわたり学んできたフードロスに対しての問題解決方法でした。

 フードロスに関しては多様な問題があるため簡単には解決出来ないことですが、生徒たちは大変素晴らしい発表と提案をしました。「SDGs17の目標」のひとつである「飢餓をゼロに」、また「つくる責任 つかう責任」を目指して各参加者が実現できれば、素晴らしい世界を作っていけることでしょう。

 本校の生徒3名が今回の経験を通して、何を学び、経験したのか、生徒たちの感想を通して見てみましょう。


【参加した生徒の感想①】

 このプログラムを通して、私は多くのことを学んだので、ここでそのいくつかを紹介したい。

 まず、フードロス・食品廃棄の問題の重要性について知った。世界で生産される食料の3割は、人に消費されずに捨てられるとも言われており、しかもその多くは食用に供しても全く問題ない品質のものであるというのだ。これは、我々が捨てている食料を栄養が不足している人々に届けさえすれば、増産なしに世界の飢餓問題に歯止めをかけられるということだ。ほかの参加者の多くも、これを知って大いに驚いていて、食料を捨てながら食料不足に苦しむとはなんて馬鹿馬鹿しい問題なのだろう、と感じていた。

 専門家の話を聞き、知識を得ていくうちに、この問題は思った以上に複雑で、他の重大な問題に通ずる要素をいくつも含んでいることがわかった。例えば、見た目がよくないものや、賞味期限切れの食品は廃棄されることが多いが、いずれも基本的には食品の品質に大きな問題はない。日々の食料に困っているような人々は、このようなことを気にする余裕がないことが多いので、我々(主に先進国に住む人々)の贅沢な価値観がこのような食品廃棄を生み出していると言える。ほかにも、食品が廃棄される過程では、焼却の有無にかかわらず温室効果ガスを多量に排出するので、地球温暖化などの環境問題にも関連がある。

 もう一つ特筆すべきなのは、日本の生徒2人、カンボジア・マレーシア・ベトナム・中国・ラオスの生徒各1人からなるチームでの議論である。常に英語でコミュニケーションをとっていたが、語学のレベルにはそれぞれ差があり、思うように意思の疎通が図れていない場面も多かった。特に、チーム全員で解決策を議論していた時に、コミュニケーション不足のせいもあって話題が逸れ続けたときは、最終日の発表が果たしてうまくいくのか心配になった。しかし、最終的には良くまとまり、チーム全員の観点を盛り込んだ良いプレゼンテーションができた。

 また、海外の生徒がとても熱心だったことが印象的だった。講義の後の質疑応答では多くの質問が出たが、大半が海外の生徒からだった。ほかのチームには、フードロスの問題に取り組むためのアプリを自ら開発したり、いろいろな人にインタビューを行ったりした生徒もいた。  このように、フードロス・食品廃棄の問題についていろいろ知ることができ、アジアの生徒の熱意にも触れることができた。素晴らしい三日間であり、参加できて良かったと思う。このような場を用意してくださったイオンの関係者の皆様、および参加にあたってご尽力いただいたハンラティー先生はじめ立命館の先生方に深く感謝申し上げます。ありがとうございました。―匿名


【参加した生徒の感想②】

 僕はそもそもフードロスに対する知識がゼロの状態でスタートしたので、最初はあまりフードロスがこれからの将来に関わってくるような重大な問題だとは捉えていませんでした。しかし班のメンバーとの事前学習や大学教授の講義などを通じて、フードロスが及ぼす影響やこれからの社会との関わりを知りました。そして今まであまり関心を持ってこなかっただけで、実はフードロスは何とかしなければいけないとても大事な問題だということに気がつきました。また、アジアの各国の文化や経済状況によって、フードロスとみなすものや発生原因が全然違うことにも大きな衝撃を受けました。

 また、今年は新型コロナウイルスの影響によりzoom上で開催されましたが、自分の母国語でない言語を使って違う国の人とディスカッションをするのは対面でも大変なのに、オンラインであったためなおさら苦労しました。マイクが遠すぎてよく聞こえない、雑音が入った、音が被った、そもそもzoomに入れないなどの機械的トラブルや、相手の表情や仕草を伺えないため起こる思い違いなどに悩まされました。しかし議論を何回も重ねたことで最終日には全員が納得するようなプレゼンテーションをすることができました。  実際に外国の高校生と語り合うことができなかったのはとても残念ですが、それをカバーできるような充実した濃いプログラムでした。―匿名


【参加した生徒の感想③】

 正直最初はフードロスという大きな課題に対して、食べ物を残すからこの問題がある、という単純な原因であり、解決させることは不可能なのではないかと疑っていました。しかし、このプログラムを通し深く学ぶにつれて、知らなかったシステムや研究データなど、思いついたことのない様々なアイディアを学び、希望を感じました。生徒たちがプレゼンテーションで考えた新しいシステムなどには課題は沢山ありますが、フードロスに対する概念が「個々が行動しない限り解決は難しい課題」から、「システムによって個々を大きく動かし、解決出来る可能性が大いにある課題」に変わりました。このプログラムで多くの可能性を学び、よりSDGsに興味を持ちました。より多くの方にこのプログラムを体験して欲しいし、この知識をこれからの人生に活かして行けたらな、と思います。

 国によって環境もフードロス問題の原因も大きく違うため、自国ならではの意見が多く、意見の違いは沢山ありました。しかし、この意見の違いによって自分の国のみではなく世界中の人のためという考え方で視野広がり、「世界」を考えた多角的な視点のアイディアを出すことが出来ました。また、それぞれの国の慣習や伝統料理など楽しく話し、そこでも大きく視野を広げることが出来ました。―匿名


 今回、イオンワンパーセントクラブでは、普段意識しないところまで深く考え、どう問題解決していけば良いのかを話し合い発表しました。参加した生徒3名は、本校が目指す「世界に通用する18歳」として、思考力、判断力、表現力を使い「アジア ユースリーダーズ」となりました。将来的にこの3名が明るい世界実現のために活躍してくれることを期待しています。