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2022/08/29

高文連石狩支部文芸コンクール10名入賞、全道大会出場決定!

北海道高等学校文化連盟第18回石狩支部文芸コンクールの審査結果が発表され、本校生徒10名15作品と文芸誌『慶』が入賞、9月に開催される全道高等学校文芸研究大会への出場が決まりました。


【小説部門】

優秀賞 成田明由(3年生)「玉葱」

優良賞 竹山結(3年生)「シスターさんと死にたがりの僕」

優良賞 寺田ふう(3年生)「被検体No.07364」


【評論・随筆部門】

優秀賞 石黒雪乃(3年生)「ラーメン戦争」

優秀賞 清水綾乃(3年生)「言葉が立ち上がる瞬間について(詩『傷あと』を用いて)」

優秀賞 原田佳苗(3年生)「三陸の風に吹かれて」優良賞 飯田望結(3年生)「原点」

優良賞 川上夏生(3年生)「おばあちゃんと時計」


【詩部門】

優秀賞 小島なごみ(2年生)「ラムネ瓶の底」

優秀賞 清水綾乃(3年生)「乖離」


【短歌部門】

最優秀賞 清水綾乃(3年生)今ここを生きるしかない僕たちの夢よ見据えろ不織布の先

優秀賞 伊藤愛可(3年生)試験中窓の外見て黄昏てみたい名字を憎む渡辺

優良賞 伊藤愛可(3年生)「でもあたし、春は嫌い」と呟いたあの娘は僕に春を知らせた

優良賞 清水綾乃(3年生)望遠の君の瞳を恋い慕う私は君の景になりたい

優良賞 原田佳苗(3年生)なぜだろう不意に拾った赤い糸無意味なゴミでも捨てられないのは


【文芸部誌部門】

推薦 立命館慶祥高等学校『慶』第16号

本校に文芸部はありませんが、生徒の文芸創作活動の発表の場として2017年12月に文芸誌『慶』が創刊、今年7月に第16号が発行されました。編集長は鈴木雛乃さん(中学3年生)が務め、中高生約10名が小説・随筆・詩・書評・漫画などをペンネームで発表しています。執筆生徒の本名は教職員にすら明らかにされておらず、謎に包まれた文芸創作集団として4年以上にわたって活動してきました。北海道内最大の文学イベント「文学フリマ札幌」に出店、文藝春秋社主催の高校生直木賞に3年連続参加するなど、学校内外で活発に活動しています。今回入賞した竹山さんと寺田さんと清水さんと小島さんは立命館慶祥中学校在学時から文芸誌『慶』の執筆メンバーとして作品を発表してきました。入賞した生徒の喜びのコメントを紹介します。


成田明由
「私は、一年前に北海道立文学館主催の『夏休み文学道場 ―中・高生のための創作講座―』に参加し、そのイベントで、文芸員の方や小説家・小路幸也さんに添削していただいた小説を、今回のコンクールに出しました。小説を最後まで書き終えたのも、小説を大会に出したのも、今回が初めてでしたが、文学道場で細かいところまで添削してもらい、急なお願いだったにも関わらず先生が出品して下さったおかげで、今回こうして賞をいただけたのだと思っています。私がこの小説を書いたきっかけは、テレビのニュースで強制わいせつ罪の報道が流れた際、母が、逮捕された人をしきりに非難していたのを見て、『全く知らない他人の罪を、報道だけを見て考えなしに非難するべきではないのではないか』『報道を見た側の人間は、ただ事実だけを受け入れて、深入りを避ける姿勢が必要ではないか』と思ったことです。テーマをかなりデリケートな話題にしてしまったので、まずは必要な知識を得るところから始めました。知識不足だったために、添削していただいた方々から、強制わいせつ罪の罪状などについて、間違いの指摘を何度も受け、作品を完成させられるのだろうかと悩んだこともありましたが、賛否が分かれる強制わいせつ罪についての内容に触れるのは極力避け、できる限り人間同士の関わりに重点を置いたことで、どうにか完成させることができました。今回の経験は、私にとって、物語を生み出すことの難しさを実感するいい機会になりました。それと同時に、創作の楽しさも実感できたので、この先も自分のペースで、何かしらの創作活動は続けていこうかなと思っています。」


石黒雪乃
「エッセイを書くのは初めてで、書き方が分からず最初はなかなか書き出せなかったのですが途中の文章を他の人に読んでもらって面白いと言ってもらえたおかげでこれでいいんだと思えて書き進めることが出来ました。クラスメイトの皆さん前向きな感想を沢山ありがとうございます。技術などもないので勢いでゴリ押したような作品ですが、受賞できてとても嬉しいですし、面白いと思ってもらえたら嬉しいです。楽しかったのでまた書きたいです。私の知り合いの皆さんへ。私に気付いても母には言わないください!」


清水綾乃
「評論・詩・短歌の三部門四作品で賞をいただけたことを嬉しく思います。特に評論と短歌は初挑戦でしたので、嬉しさと共に驚きがありました。評論については、はじめの一歩を踏み出すことすらままならなかった中、完成に至るまで手厚く指導してくださった先生のおかげで書き上げることができました。本当にありがとうございました。短歌には以前から惹かれていましたが、半年ほど前にとある短歌に出逢ったことがきっかけで自分も創作したいと思うようになりました。最優秀賞をいただいた一首は、コロナ禍という特殊な状況の中でも、さまざまな場面で活躍し、日々を楽しむ周りの同級生を見て生まれた感情をぶつけた作品です。また『不織布=マスク』という、時代が作り出した言葉を遣ったら面白いかな、という試みでもありました。今までとは違うジャンルに取り組んで、自分の創作の幅が広がったように感じると同時に、今後は自分の中にある創作の種に対してどのジャンルで表現するのかという選択を慎重にしていく必要があると感じました。」


原田佳苗
「この度は随筆、短歌共に賞を頂き大変嬉しく思います。私は昨年度の高2国内研修で東北コースを選び、主に岩手、宮城、福島の3県で東日本大震災について対話を通じて学んできました。現地では中学生からお年寄りまで幅広い方と交流し、私たちの防災意識の低さに気付かされました。また研修前と研修後では『地域』への考え方が大きく変わり、この貴重な経験を文字に残したいと思ったので、今回の随筆を書きました。随筆を書くのは初めてで最初は不安でしたが、最後まで書き上げることができ、賞も頂けてとても嬉しいです。これからも短歌などの創作に精進してまいります。今回の創作に携わってくださった方々、ありがとうございました。」


小島なごみ
「昨年に引き続いて自分の詩を評価していただき、本当に嬉しいです。この詩のモチーフは、眩しかった夏の思い出を締めくくるには重すぎた、本当のできごとです。しばらくショックから立ち直れなかったときに、せめてこの心情だけはしたためておこうと筆をとりました。中学生の頃はこのような賞をいただく機会がなく、次々と受賞する先輩方の姿を見て、自分の中でかなり焦りを感じていたように思います。今回2年連続の入賞を経て、評価のためではなく自分のありのままを書くことの大切さを改めて感じました。前よりももっと、今よりももっといい文章を書けるように、これからも尽力します。本当にありがとうございました。」


伊藤愛可
「賞をいただけるとは想像もしていなかったので、入賞することができ驚きと嬉しさでいっぱいです。私は高校3年生になってはじめて、現代文の授業でのライティング・ワークショップで短歌に挑戦することにしました。創作するにあたって、日常のどの場面を掬い取り、31音でどのように表現するかという難しさ、そしてその中にある短歌の面白さを痛感しました。些細な出来事でも、どこか滑稽さや愛らしさを感じられたりドラマチックに見えたりと、創作中は新鮮な気持ちで日々を振り返ることのできる楽しい時間でした。このような貴重な機会を設けてくださった先生、選んでくださった審査員の方々、本当にありがとうございました。」

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