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2022/10/03

全道高校文芸コンクール5名入賞!「書きたいものを書くという喜び」

北海道高等学校文化連盟第20回全道高等学校文芸研究大会文芸コンクールの審査結果が発表され、本校生徒5名6作品と文芸誌『慶』が入賞しました。

【小説部門】

優良賞 後藤浩介「生まれたままのオートクチュール」

優良賞 竹山結「シスターさんと死にたがりの僕」


【評論・随筆部門】

優良賞 清水綾乃「言葉が立ち上がる瞬間について(詩『傷あと』を用いて)」

優良賞 原田佳苗「三陸の風に吹かれて」


【詩部門】

優秀賞 小島なごみ「ラムネ瓶の底」


【短歌部門】

優良賞 清水綾乃「可塑性の僕を時化へと追い出した舟はただただゆらりゆらりと」


【文芸部誌部門】

銅賞 立命館慶祥高等学校『慶』第16号


優秀賞を受賞した小島なごみさんは、2023年10月に山形県で開催される「第25回全国高等学校文化連盟北海道・東北文芸大会」に北海道代表文士として出場します。

本校に文芸部はありませんが、生徒の文芸創作活動の発表の場として2017年に文芸誌『慶』が創刊、今年7月に第16号が発行されました。編集長は鈴木雛乃さん(中学3年生)が務め、中高生約10名が小説・随筆・詩などをペンネームで発表しています。執筆生徒の本名は教職員にすら明らかにされておらず、謎に包まれた文芸創作集団として4年以上にわたって活動してきました。北海道内最大の文学イベント「文学フリマ札幌」に出店、文藝春秋社主催の高校生直木賞に3年連続参加するなど、学校内外で活発に活動しています。今回入賞した後藤さんと竹山さんと清水さんと小島さんは立命館慶祥中学校在学時から文芸誌『慶』の執筆メンバーとして作品を発表してきました。入賞した生徒の喜びのコメントを紹介します。


後藤浩介(3年生)
「この度は、小説部門にて賞を頂けたことを大変嬉しく思います。賞を頂いた小説は主人公が性同一性障害の子と関わりながらそれぞれの生き方への向き合い方を考えるものとなっており、性同一性障害は私にとって身近な事柄であったため、書きやすい題材ではありました。しかし主人公の持っている悩みが、何不自由なく生きれている、しかしそこに『自分』がなく、人生が意味のないように感じる、という性同一性障害と比べてふわっとした、共感もされにくいようなものであるため、それをどう書こうかという部分は苦労しました。あと応募する際の文字数制限にはこれ以上なく苦しめられました。一番の難敵だった気がします。ただそれらを巡る二人の心理描写はとことん力を入れたため、悩み自体がわからなくとも、苦悩や悲しさは伝わるように書けたかなと思います。実は今回のこの小説は、現代文の授業の中で書いたものです。授業の内容は授業内にて小説、随筆、詩や短歌など、なにかひとつ自分で文章を書き、それをコンクールに応募するというものです。このような機会をくださり、その授業内でアドバイスもしてくださった担当の先生には感謝しかありません。今後また小説を書く機会があれば、今回よりももっと胸に響くような、読み終わったあとに『よかった』となるような物語を書けるように精進してまいります。」


竹山結(3年生)
「全道高等学校文芸コンクールで優良賞を受賞したこと、嬉しく思います。この作品は4月から始まった現代文の授業『ライティング・ワークショップ』内で執筆したものです。中学1年生のころから文芸誌活動に参加し、本に触れる機会も多かったものの、自分で小説を書き上げたのは今回が初めてでした。自分の中で納得がいかず、筆が進まない時期もありました。しかし、『書きたいものを書く』という喜びが勝り、最後まで自分らしい文を表現できたかなと思います。大会において参加した小説分科会では、顔をあわせながら感想を頂くという得難い経験をすることができました。8月の石狩支部大会でも9月の全道大会でも自分の作品と真摯に向き合ってくれたことが伝わり、人との交流がこんなに楽しいものなのかと驚きました。だからこそ交流した方々の作品がどれも素晴らしく、正直自分がここまでいけるとは思いませんでした。今回自分の作品を通じてこのような貴重な機会に参加でき、とても幸せでした。未熟ながら文芸を志す者のひとりとして皆さんと交流できたのは私にとって宝です。この場を借りて感謝申し上げます。ありがとうございました。」


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創作詩で入選!中3小島なごみさん
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高文連石狩支部文芸コンクール10名入賞、全道大会出場決定!
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文学フリマ札幌に出店します
https://www2.spc.ritsumei.ac.jp/archives/39807

★立命館慶祥中学校・高等学校文芸誌『慶』の主な活動歴★

・2017年度

中学1年生5名により編集部発足、創刊号および第2号発行。初代編集長は小山杏樹。

第12回「ふるさとを詠う」短歌コンクール【審査員特別賞】竹山結『東京に千歳に函館ふるさとはいつでもそこにあるよ私も』

第13回日能研文学コンクール【佳作】寺田ふう『Butterfly Effect』

第19回創作童話・絵本・デジタル絵本コンテスト【児童健全育成推進財団賞】梶浦拓音『ネコミチとさくら色のきっぷ』


・2018年度

第3~5号発行。

第56回有島青少年文芸賞【佳作】梶浦拓音『あさってのいろ』

第29回伊藤園お~いお茶新俳句大賞【佳作特別賞】寺田ふう『冬の日は寂しさ漂う水族館』


・2019年度

第5~9号発行。

札幌市民交流プラザにて「アートボランティアウィーク」に出展。

さっぽろテレビ塔にて「第四回文学フリマ札幌」に出店。

第57回有島青少年文芸賞【佳作】寺田ふう『再会』


・2020年度

第10~13号発行。

第7回高校生直木賞全国大会出場(代表生徒:小山杏樹)

第18回全道高等学校文芸コンクール評論・随筆部門【優良賞】金石紗朋『今日は二度と訪れない』

第18回全道高等学校文芸コンクール詩部門【優良賞】清水綾乃『詩の裏返し』

第18回全道高等学校文芸コンクール文芸部誌部門【銅賞】立命館慶祥高等学校『慶』

第9回鎌倉文学館こども文学賞【入賞】小島なごみ『追憶』

第58回有島青少年文芸賞【佳作】清水綾乃『涙に色があったなら』

第17回高岡・山町ポエム大賞【奨励賞】清水綾乃『ぎゅっと』


・2021年度

第14号(立命祭特別号)発行、300円で販売。第15号から鈴木雛乃が2代目編集長。

第8回高校生直木賞全国大会出場(代表生徒:三浦真桜)

第57回岐阜市文芸祭【佳作】清水綾乃『成長痛』

第19回全道高等学校文芸コンクール小説部門【優秀賞】清水綾乃『遠花火』

第19回全道高等学校文芸コンクール文芸部誌部門【銅賞】立命館慶祥高等学校『慶』

第23回全国高等学校文化連盟北海道・東北文芸大会青森大会出場(清水綾乃)

第36回全国高等学校文芸コンクール小説部門【優良賞】清水綾乃『遠花火』

第16回北海道小・中・高生短歌コンテスト【優秀賞】鈴木雛乃『百円のラムネのびんから見る夜空朱色の花火とじこめた夏』

第25回風花随筆文学賞【佳作】清水綾乃『追憶』令和3年度江別市教育委員会賞(清水綾乃,鈴木雛乃)


・2022年度

第16号(立命祭特別号)発行、200円で販売。

札幌コンベンションセンターにて「第七回文学フリマ札幌」に出店。
第9回高校生直木賞全国大会出場(代表生徒:梶浦拓音)

第46回全国高等学校総合文化祭東京大会出場(清水綾乃)

第20回全道高等学校文芸コンクール小説部門【優良賞】後藤浩介『生まれたままのオートクチュール』

第20回全道高等学校文芸コンクール小説部門【優良賞】竹山結『シスターさんと死にたがりの僕』第20回全道高等学校文芸コンクール評論・随筆部門【優良賞】清水綾乃『言葉が立ち上がる瞬間について(詩『傷あと』を用いて)』

第20回全道高等学校文芸コンクール評論・随筆部門【優良賞】原田佳苗『三陸の風に吹かれて』

第20回全道高等学校文芸コンクール詩部門【優秀賞】小島なごみ『ラムネ瓶の底』

第20回全道高等学校文芸コンクール短歌部門【優良賞】清水綾乃『可塑性の僕を時化へと追い出した舟はただただゆらりゆらりと』

第20回全道高等学校文芸コンクール文芸部誌部門【銅賞】立命館慶祥高等学校『慶』