高校1年次には、「地域課題研究」として地域の課題について考える学習を実施します。高校2年次には、「海外文化研究」として世界の課題について考える海外研修を実施します。統一設定したテーマに基づき、全コースにおいて研修先相手国にある交流校の生徒へプレゼンテーションやディスカッションを実施し、相手の意見との相違点や類似点を明確にします。このことにより、生徒は多様な価値観を形成することとなります。さらに校内で生徒による報告会等を実施して経験の共有化、さらなる多様な価値観の形成を図ります。
高校3年次には、立命館コースの文系生徒全員に対し、世界の課題の深掘にチャレンジします。ここでは、3つの特設講座(「観光開発」「国際社会」「アジア学」)において、異文化に生きる人々と共に学び、活動・研究します。1・2年次において、地域の課題を考えることから敷衍して世界の課題について検討することにより、相手の意見を丁寧に聴き、立場の違いを理解して対話し、他者に自分の考えを伝えていく力を育てます。そして、3年次には世界のより大きな課題へ迫る取組を行い、1・2年次の学習の集大成となります。

強化学習において、基礎学力を養うのみならず、「探究心や発想力」「情報収集や情報リテラシー」などのスキルを身につけさせます。生徒自身がグローバル社会で生きる上で強化学習の力が求められることを知り、強化学習への意欲も向上することが狙いです。

日本とは異なる国の歴史や文化に触れることにより、グローバルな視野を獲得するとともに、国際的諸課題についての興味、関心を喚起します。また、全コース共通のテーマを設定し、現地の高校生または大学生とのディスカッションや活動を企画し、実施します。この活動・経験を通し、生徒自身の自主性を育成し、現地の人々と協力して問題解決に取り組む態度を養います。
・ベトナムコース
・マレーシアコース
・タイコース
・ガラパゴスコース
・アメリカコース
・北欧コース
・ポーランド・リトアニアコース
・ボツワナコース

『観光開発講座』では、観光学の基礎講義に加え、本学園とすでに教育提携を結んでいる、ロシア、サハリン洲でフィールドワークを行い、両地域間の観光開発を協働作業で行います。また、自分たちのアイデアがビジネスとして成立しうるかについて検討します。ここでの学習・活動を通し、ボーダースタディーズやボーダーツーリズムという新たな学問についての学びを深め、”ボーダーを生かす”という新たな視点を持ち、発送の転換や想像力・企画力を育みます。
『国際社会講座』では、アイヌ文化基礎・多文化理解基礎を学習する他、自然との共存を基礎とするアイヌ文化の理解から、現代の社会生活(社会構造)に対して、提言できることを検討します。海外研修も、ロシア・サハリン州やニュージーランド、カナダ、バンクーバーなどで実施します。この講座での学習・活動を通し、日本の先住民族・アイヌの歴史・文化・価値観を学び、「私」と「彼ら(アイヌ)」というボーダー(境界)を越えた「私たち」という共通の意識を育みます。また、アイヌ文化の継承・保存については、現在の日本の課題であり、高校生の視点からの解決策を提言・発信し、主体的に問題を捉え、解決する意識を育てます。
『アジア学講座』では、高校2年次の海外研修を踏まえ、多様な民族が対立・共生する東南アジアについて詳細な学習を行います。また、アジアの抱える社会問題に取り組む活動をより深く理解するために、新たに研修プログラムを実施し、生徒・教員の協働でそのプログラム内容を開発します。海外研修先は、北部タイ(2013年度から高校2年次の海外研修でPhayao県にあるYMCA Phayao Centerとの共同活動を行っている)です。この講座での学習・活動を通し、東南アジアの知識を得るだけではなく、そこで得た知識を日本が抱える問題や他の社会問題に置き換え、主体的に解決策を考える力や、国・民族の違いを超えて解決しなくてはいけないという使命感・責任感、他者との協働作業で重要となる協調性などを生徒が身につけることができます。