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GLAネパールコース立命館大学グローバル教養学部(GLA)との共同企画

コラム

ネパール政府ヒアリング/JICA教育支援プロジェクト視察

ネパール政府の方から教育と格差についてヒアリングした後、午後はカトマンズから16km離れたバクタプルに移動し、JICAが支援する教育プロジェクトを視察しました。今回の研修が初めての海外旅行という生徒は、ネパールの街と人々の生活を見て、「すべてが日本と違って驚いている。まだまだ研修は始まったばかりで、きっと多くのことを学ぶことになるけど、その時その時で自分の考えを持って、様々な問題を考えていきたい」と話してくれました。他にも「ネパールの印象は貧困だった。貧困が人々の幸せにどう影響しているか気になっていたが、接する人々は皆幸せそうでいい国だなと思った」と語っていました。 

また、ネパール政府の方に1番に手を挙げて質問していた生徒は「政府の人、ガイドさん、学校の先生など、立場が違ってもネパールの現状に対して、同じ考え方をしていてとても興味深かった」と話していました。 

団長の生徒は、「自分が聞きたいことを聞くために、質問を変えたり、言い直したりしなければならない。英語で質問する難しさもあるが、相手の考えや立場も踏まえて考えなければならないので、言語だけじゃない難しさを感じています」と語っています。他にも「ナマステの挨拶が温かい。挨拶は大事だと思う」「外国で怖いと感じることも多いけど、みんな笑顔で優しく接してくれて安心した」という言葉も挙がっていました。

St. Xavier’s college、チベット難民キャンプ、ダルバール広場散策

事前学習から一緒にディスカッションを重ねてきたSt. Xavier’s collegeの学生と合流。Media Talkというイベントにゲストとして招待していただき、生徒2人が代表としてプレゼンテーションを行いました。300人の学生を前にして、とても緊張したと思います。最後には全員ステージに上がり、日本のダンスとネパールのダンスを一緒に踊り大盛況の中、イベントは終了しました。

約4ヶ月間オンラインで交流してきたネパールの学生との対面はとても感動的でした。昼食を一緒にとった後は皆で大縄をして友好を深めました。短い間でしたが、最後には涙を流して別れを惜しむ姿も見られました。ここまで歓迎されるとは思いもよらず、ネパールの人々の温かさを感じました。

カトマンズ郊外のチベット難民キャンプも訪れました。伝統的な方法で機織りをしている方々に話を聞き、その後は観光では訪れることのできないローカルの深いところまで案内していただきました。ヒンドゥー教の寺院にも入り、お祈りの声に耳を傾ける生徒の姿は印象的でした。その後は世界遺産ダルバール広場を散策し、地震で崩壊した遺産の復旧支援の現場を見ました。クマリの館では、生き神様と言われている6歳の少女との対面も叶いました。

毎日夕食後はホテルでミーティングを行いました。団長と副団長を中心に、1日の目標、研修を通してその目標は達成できたか、ネパールでの気付きをシェアして翌日の研修に繋げました。旅で得られるものの1つとして現地の人との出会いがあります。訪問先での出会いだけでなく、街やレストランで偶然的に生まれる出会いの中で、生徒はその時を逃さず積極的にコミュニケーションをとっていました。レストランでは、結婚式後の食事会を開いている家族がおり(ネパールはこの時期が結婚の季節)、新婦さんに伝統的な花嫁衣装を見せて頂くことができました。最後のダンスでは、現地の方も混ざってダンスを踊りました。

国際関係というと、戦争や途上国、開発援助という事がすぐにイメージされますが、その前にやはり同じ人間同士の出会いと関わり方を考えることが大切だと思います。途上国に来たという視点から一度離れ、人々と真っ直ぐに向き合って行く生徒たち。どんな出来事も素晴らしい経験になると思います。チャンスを逃さず後悔のない研修にして欲しいものです。

Himalayan Life NGO)視察

カトマンズからポカラへバスで8時間かけて移動しました。峠を越え様々な街を通過することで、ネパールの農村まで見ることができました。乾季のため晴れの日が多いですが、その反面雨が全く降らず、空に舞っている土埃が綺麗に晴れず、なかなか山を見ることはできませんでした。ポカラではHimalayan Life というNGOの方々と合流。マウンテンバイクでポカラの街を駆け抜け、湖の周りのペットボトルを拾って歩きました。また、同時にポスター作成班で作成したペットボトルリサイクル啓発ポスター200枚を周辺のホテルや地元の方に配布して周りました。

美しい景色で有名なポカラにも、街は汚く至る所にゴミが捨てられています。生徒は、ゴミの中をどんどん分入り、ペットボトルを拾いました。NGOのHimalayan Life にとっては、ペットボトルのゴミはゴミではなく、リサイクルの資源として考えています。ストリートチルドレンの就職先ともなっているペットボトルリサイクル工場に運ぶための資源を生徒は懸命に集めていました。目を背け、鼻を覆いたくなる匂いを放つゴミの中を分入り、ペットボトルを拾う経験です。何が起きても、何かに困っても、全てを受け入れる気持ちで行こう、と日本を出発してから、生徒たちは日に日に大きくなっていました。ミーティングで団長はこのように語っていました。「人との出会いは全て一期一会だと思う。ここでの出会いを大切にできるように、明日も頑張ろう」。

ダンプストレッキング、ポカラゴミの堆積場視察、Himalayan LifePlastic工場視察、ストリートチルドレンとの交流

 早朝に出発し、ダンプスという村を目指しました。トレッキングの道は、農村集落の生活道路となっており、そこで暮らす現地の方々にお話を聞きながら周りました。そのため、往復2時間程度のトレッキングを今回は6時間で行程を組みました。7時に出発し、バスに再集合したのは13時。ぴったり6時間のトレッキングです。ポカラの農村では水牛を飼っている家が多く、水牛のミルクを実際にご馳走になったグループもいました。他にも、通学途中の兄弟と出会い、一緒に登校したり、笹の葉を運んでいる女性の籠を実際に背負わせてもらったり、伝統的な作りの家の中を案内してもらったり、屋根の上に登らせてもらったり…。農村で暮らすネパールの方々の生活の中に入り込んでいく活動になりました。どの方々も、「ナマステ」と笑顔で受け入れてくれます。生徒は、その好意を笑顔でしっかりと受け止めて、地元の方との交流を深めておりました。

NGOのHimalayan Lifeとの活動もありました。ゴミの埋め立て場を見学し、ネパールのゴミ問題の現状と、政府の対応など実際のゴミの堆積場を見ながら様々な問題と向き合いました。その後はプラスチックリサイクル工場へ向かい、ペットボトルがリサイクルされる過程を見学しました。その後は、今回のメインの研修とも言える、ストリートチルドレンとの文化交流でした。男子と女子に分かれ、それぞれの施設で50名近い子どもたちと、折り紙、大縄、習字、サッカーなどで交流をし、その後は子どもたちと一緒に夕食を食べました。男子生徒は「孤児院で17歳の青年と出会った。彼は絵がとても上手で、彼の描いた絵を見せてもらった。多くはポカラの湖や、風景などの絵だったが、最後の絵がとても印象的だった。最後の一枚は、彼が路上で生活をしていた頃の絵だった。彼に、当時の生活と今の生活はどう違う?と聞くと、”夢が叶ったんだ”と話してくれた」という感想を話していました。その青年は、3歳の頃に路上から今の施設にやってきた子どもだそうです。彼のように、最後の交流では、12名全員がそれぞれ関わった子どもたちと深い絆を結ぶ時間となりました。短い時間の交流となり、非常に名残惜しい最後となりましたが、子どもたちと何度も握手をし、抱き合い、別れを惜しんでいました。

また、事前学習から一緒に活動していたネパールのSt, Xavier Collegeの学生が、Kathmandu Postという新聞社でインターン生として記者をしており、その学生からのオファーで取材を受けました。A transformative educational trip (kathmandupost.com)

山に登り、村に入り、ゴミを拾い、子どもたちと走り回る研修でした。体力を使い果たしたけれども、生徒たちの心はとても温かく、高揚している様子でした。

立命館大学HPにもGLAネパールコースの記事が掲載されています。
是非ご覧ください。

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