慶祥の「イマ」と「ミライの自分」を掘り起こすメディア

キーワードでさがす

人気のキーワード

閉じる

動物保護の道に進んだのは、慶祥の海外研修が契機!獣医師・小笠原浩平さん

コラム

傷ついた鳥を治療し、自然にかえす体力勝負の任務をこなす日々

 小笠原浩平さんは、慶祥高校卒業後、北海道大学獣医学部に入学し、現在は獣医師として「猛禽類医学研究所」で働いています。猛禽類医学研究所は、オジロワシ、オオワシ、クマタカ、シマフクロウといった希少猛禽類を中心に野生で傷ついた鳥を受け入れ治療し、傷が癒えた後のリハビリ、自然にかえすまでを引き受けている環境省の委託機関です。

猛禽類が傷を負う理由は交通事故が最も多く、その他にも風力発電機との衝突や感電事故など、人間の活動に起因するものがほとんど。そのため、調査用に死んでしまった鳥を受け入れて、解剖し死亡原因を突き止めたり、事故を未然に防げるような道路の構造、風力発電施設の建設場所を関係省庁に提案したりといった活動もしています。小笠原さんは「人間が猛禽類と共生できるよう、鳥と環境の両方を治療している」と語ります。またレスキュー隊のような任務もあり、全道から通報を受けて現場へ急行し、鳥を保護するために山に分け入り、崖に上ることもあるとのこと。バスケ部で毎日朝練、昼休みに練習、午前練習の日でも午後は自主練習、と体を鍛えた高校時代が体力勝負の仕事を支えているそう。

視野が広がったマレーシアへの海外研修!大学では鳥類にさらなる興味が

もともと動物好きだった小笠原さんですが、獣医師となり動物保護の道を志したきっかけの1つは慶祥でのマレーシアへの海外研修だそうです。「現地にあるオランウータンの保護施設で活動して、家畜ではない野生動物の獣医が少ないと分かって、視野が広がりました」と小笠原さん。なかでも鳥類への興味が強かったと言います。「鳥は、恐竜の進化形なんです。大学で鳥を解剖したときに哺乳類との体の構造の違いに衝撃を受けて、興味深い生物だと思いました」。

仕事に面白さを感じて、慶祥イズムが根付く心

慶祥にはユニークな先生、バイタリティのある先生が多い」と話す小笠原さん。「仕事で、バックヤードや活動紹介などの環境教育をする際は、自分が面白がらないと他人には伝わらない、と先生方から学んだことをよく思い出しています」と懐かしむように話してくれました。これからも「慶祥イズム」を根底に、北海道の猛禽類たちに寄り添っていくことを期待したいですね。

TO SHARE

この記事をシェア

  • twitter
  • facebook
  • LINE
  • はてなブログ