卒業生の声

「世界に通用する18歳」を目指して過ごす立命館慶祥中学校・高等学校の生徒たち。
彼ら・彼女らは、卒業後にどのような道を歩み、どのような活動をしているのでしょうか。
卒業生のみなさんに、現在のお仕事と、慶祥で過ごした経験について語っていただきました。

アメリカ合衆国アイオワ州立大学 大水 皓太さん

自分の挑戦したいことに挑める環境です

現在、アメリカにあるアイオワ州立大学に通う大水さん。実は慶祥入学当時から海外進学を決めていたわけではなく、国内大学への進学を考えSPコースに入っていたそう。
「高校でアメリカンフットボールを始め、顧問の中川先生のおかげでアメリカにおけるトレーナーのあり方や大学での学びについて知りました。中学の頃から、自分の中で漠然とトレーナーになりたいという夢があったのですが、アメリカの大学に進学してアスレチックトレーナーの資格を取り、後々日本での普及に貢献したいという具体的な目標に変わりました。また、クラスメイトからの刺激が成績を保つモチベーションとなり、高2の後半に海外進学を決め、高3で立命館コース(IRコース)を選びました。担任のハンラティー先生のサポートで留学の準備を進めることができ、心強かったです」と海外進学に至った経緯を話してくれた。大学内の日本人会と陸上クラブに所属している大水さん。慶祥時代にはアメフト部の部長と寮生会長を務めており、そこで培ったリーダーシップが現在の大学での活動にも活かされているという。
そんな大水さんに慶祥の魅力を聞いた。「海外進学をサポートできる先生方がいることです。他の高校と比べて実践的な英語を学べる環境が多く、さまざまな分野に長け向上心に満ちた生徒や素晴らしい先生に出会うことができ、常にモチベーションを高く保てました。現在は、授業についていくために他の人たちの倍以上の時間と労力がかかりますが、諦めない根気と競争心は慶祥にいた頃に身に付けた力です。慶祥は自分の挑戦したいことに何でも挑める環境だと思います。充実した施設、先生からの手厚い支え、互いに高め合える仲間に囲まれた恵まれた学校です」。心理学とのダブル専攻、2年間の修士課程を今後の目標とし、日々学業に励んでいる。

自分のやってみたいことを口に出して実際にやってみる。

中学のニュージーランド研修最終日、ホストシスターが作ってくれた写真のスライドショーに感動したことがきっかけで、映像業界に進んだ奥村さん。「高校三年生で選択した立命館大学コースでは希望学部の予習ができるカリキュラムがあり、大学進学前に映像やデザイン、情報処理の基礎を学ぶことが出来ました。その時使用したソフトは現在働くプロの現場でも使われており、当時の学習を活かせていると実感しています。またグループワークや作文、プレゼンテーションを盛り込んだ授業が多いので、自分の思いや考えを他者に伝える能力が培われ、大学での活動や就職活動でとても役立ちました。それは映像デザイナーとして働く現在にも通じるものであり、慶祥で得た財産だと思っています」と慶祥の学びの魅力を振り返る。
「どんどん自分のやってみたいことを口に出して実際にやってみることが大切だと思います。私は研修旅行の報告会やクラス行事、特に立命祭では映像の撮影や編集、クラスTシャツやポスター作りなどの学校行事に関わるデザインができる機会に積極的に参加していました。慶祥では成長するチャンスがそこら中にあります。それを受け身にならず、自分から積極的に掴み取ることが夢を見つけるきっかけ、叶える力になると思います。慶祥の仲間と感動を共有する体験をたくさんしてください」と将来の慶祥生、現在の慶祥生に向けてのメッセージが届いた。現在はクライアントと直接やり取りをし、映像演出を自ら提案できるチームのチーフとしてコンサートに携わることを一番の目標とし、日々仕事に励んでいるとのことだ。

株式会社コマデン 映像デザイナー 奥村理名さん
東京医科歯科大学医学部付属医院 産婦人科後期研修医 関 文恵さん

慶祥の学びで医学部現役合格

 中学生の頃、人の役に立つ仕事がしたいと思ったことをきっかけに、医師を目指し始めたという関さん。この4月から産婦人科医として、安全な出産をサポートするため研修を行っている。医学部を現役合格したが、慶祥在学中、塾に通っていなかったという。
「高校の時にSPコースに進み、難関大への対策を学校で出来ました。当時は毎日コツコツと勉強を重ねていきました。朝の始業前や放課後、何度も先生に質問に行きましたが、どの先生も嫌な顔せず教えてくださり、ありがたかったです」と当時の学び様子を振り返る。
関さんに慶祥の魅力を尋ねると、「中学の時にはニュージーランドで2週間のホームステイ、高校ではそれぞれのテーマに合わせた海外研修が出来るところです。ほかの学校ではできない貴重な経験だったと思います」と語ってくれた。
「海外研修など、様々な経験ができ、勉強を頑張りたいという気持ちのある方には手厚くサポートして下さる環境が整っています。また勉強以外でも、仕事の場面で何か悩んだ際には、中学の頃の学年目標だった「誠実」という言葉を思い出し、自分がしている行動が誠実であるかを考えるようになりました。そのように、深い学びができる慶祥に入ってよかったと思います。学校で学んだことを活かし、夢に向かって頑張っていってください」とこれから医学部を目指す未来の慶祥生にエールを送った。

海外研修をきっかけに動物保護の道へ

釧路湿原の西側に位置する「猛禽類医学研究所」が小笠原さんの職場。オジロワシ、オオワシ、クマタカ、シマフクロウといった猛禽類の希少種を中心に傷ついた鳥を受け入れ、治療を施し、傷が癒えてからはリハビリし、自然に帰すまでを一手に引き受けている、環境省の委託を受けた機関だ。 猛禽類が傷を負う理由は交通事故が最も多く、建造物への衝突、散弾による鉛中毒など人間の活動に起因するものがほとんど。そのため、調査用に死亡した鳥を受け入れて解剖し死亡原因を突き止めたり、事故を未然に防げるような道路の構造、風力発電施設の建設場所を関係省庁に提案したりと、その活動は獣医の枠に留まらない。小笠原さんの言葉を借りれば「人間が猛禽類と共生できるよう、鳥と環境の両方を治療している」ということだ。 さらにレスキュー隊のような任務もあり、全道から通報を受けて現場へ急行、鳥を保護するために山に分け入り、崖に上ることもしばしば。バスケ部で毎日朝練、昼休みに練習、午前練習の日でも午後は自主練習、という具合に体を鍛えた高校時代が体力勝負の仕事を支える糧になっているという。 もともと動物好きだった小笠原さんだが、今の道を志したきっかけの一つには慶祥でのマレーシアへの海外研修がある。「現地でオランウータンの保護施設で活動して、家畜ではない動物の獣医が少ないと分かって。視野が広がりました」。なかでも鳥類への興味が強かった。「鳥は、恐竜の進化形なんです。大学で鳥を解剖したときに哺乳類との体の構造の違いに衝撃を受けて、興味深い生物だと思いました」。 「慶祥にはユニークな先生、バイタリティのある先生が多いですよね。仕事で、バックヤードでの仕事体験などの環境教育に関わることもあり、自分が面白がらないと他人には伝わらない、と先生方から学んだことをよく思い出しています」と懐かしむように話した小笠原さん。仕事の内容などを面白おかしく語ってくれたインタビューで、そうした「慶祥イズム」が根付いていることを感じられた。

獣医師 小笠原浩平さん
国土交通省本省 航空局 野口知希さん

「やってみよう」を後押し 個性を磨ける学校

現在、国土交通省本省の航空局の、国が管理する空港周辺の騒音・環境対策や地域活性化を担う部署で仕事をしている野口さん。慶祥に在学していたときから、自分の身近な人を守るために何をすべきかを考え、家族を含む地域の住民だけでなく全国民の安全・安心を実現するため、国の仕事に携わることに決めたという。
「国家公務員になるための特別な努力をしていたわけではありませんが、当時の志望が警察庁キャリアだったこともあり、文武両道が必須だと考えていました。3年の夏まではサッカー部に所属し、部活の合間を縫って勉強しました。受験勉強以外にも、高卒者向けの警察や公務員用の試験問題をやっていました。
また、それ以上に学ぶことが多かったのは、親元を離れた寮生活だったと思います。勉強・部活はもちろんですが、洗濯・掃除など身の回りのことは全て自分でやらなければいけない、そのような中で人間としての基本的な『生活力』を身に付けることができたと思います。大学や就職後の一人暮らしも難なくこなすことができたのは高校から親元を離れたことが大きかったと思います」と慶祥時代を振り返ってくれた。
「日本で暮らす人々や自分の子どもたちが将来にわたり安心した生活ができるように」という大きな目標に向かってよりよい政策を考え、先手を打って実行しようとしている。

慶祥で学んだ英語力を活かし、海外勤務

「高校の修学旅行で1週間リトアニアでのホームステイを経験したときに、この経験を他の方にもしてほしいという思いから、旅行関係の仕事に就きたいと思いました」と慶祥在学中の将来の夢を語ってくれた宮本さん。現在、その夢を叶えフィリピンのフライトスクールで勤務しているが、慶祥での学びを活かして現在の仕事に就いているのだという。「英語の各種授業には特に力を入れて勉強していました。その結果得た英語力、コミュニケーション力は今の仕事で非常に活かされていると感じます。また吹奏楽部で担った協調性、相互理解力も仕事はもちろんのこと、海外での生活にも活かされていると感じます」 高校時代から将来の夢に向かって、コツコツと努力を重ねてきた宮本さん。現在の慶祥生、未来の慶祥生には「将来何をしたいか、まだまだ分からない方も多いかと思いますが、やりたいことは誰にでも少しはあるかと思います。それをやるかやらないのかは自分次第。できない理由を見つけるのは非常に簡単ですが、理由を見つける時間があるなら、少しでもできる可能性を探して挑戦してほしい。慶祥には特色のある修学旅行や、多種多様な授業など、自身の可能性を広げる機会が多くあります。また現在も親交のある先生方に出会えたことも、慶祥が与えてくれた素晴らしい経験です。多くの授業や経験をし、少しでも『できない』から『できる』に変えて、夢を叶えてほしいと思います」と熱いメッセージをくれた。宮本さんは今後、パイロットとして世界の人々をつなぐ仕事をし、世界で活躍できる女性になることを目指していくとのことだ。

フィリピンフライトスクール ALLASIAAVATIONACADEMY 宮本知恵子さん