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2019/11/06

中2 京都研修 人と出会い成長を感じた4日間

中学2年生(19期生)が,10月15日(火)から3泊4日間の日程で京都を舞台にした宿泊研修を行いました。

慶祥伝統の京都研修は,学校では普段体験できない学びの詰まった4日間です。

1日目と2日目は,大学の学びをテーマにしたプログラムです。立命館の京都衣笠キャンパスと滋賀びわこくさつキャンパスをそれぞれ訪問し,施設見学や模擬講義の受講に挑戦しました。

慶祥の生徒は大学進学を進路希望とする者ばかりですが,大学の授業にふれる機会はまだ多くありません。

今回は,参加したすべての生徒が立命館大学で行われた多彩な授業に参加することで,大学での学びのイメージをつかむことができました。また,衣笠キャンパスでは,立命館大学の全面協力のもと,元外務省事務次官の藪中三十二先生に100分の特別授業をしていただく機会に恵まれました。

外務省のトップとして,北朝鮮をめぐる六者協議や拉致問題,日米貿易摩擦などの課題に対応してきた藪中先生から「グローバル人材として必要なこと」や「世界情勢をどう読み解いていくか」について貴重なお話をうかがうことができました。

同じく衣笠キャンパス内にある立命館国際平和ミュージアムでは,平和と民主主義を掲げる立命館の姿や戦争の悲惨さを再確認することができました。

今年度は,館内の展示室をおかりして中学2年生の調べ学習の成果について展示していただく取り組みに挑戦しました。生徒は,自分たちの作品と京都で再会する感動と,館のスタッフの方からお褒めの言葉をいただくことができ有意義な訪問になったようでした。

3日目は,自主研修を行う1日です。

今年度は,総合学習や事前学習の時間を使って,グループごとに自主研修のテーマ設定にこだわってきました。教員の手助けは一切なしで,生徒が主体的に探究テーマを設定し,訪問先を探しアポイントを取っていきます。

取材先への電話,質問状の検討,研修ルートの作成,もちろん当日の移動もすべて生徒たちだけの手で行います。

例えば,「京都で起業することを考えたときにどのようなことが必要か」,「伝統工芸の保存にAIはどのような貢献をするか」,「京都は伝統を守るべきか革新をつづけるべきか」など興味深いテーマが準備されました。

当日は,列車の遅延や移動時間の読み違えなど多少のハプニングはあったようですが,すべての生徒が無事にゴール地点に到着することができました。

自ら選んだ訪問先で多くの人と出会うことができ,生徒たちにとって「京都」というまちが忘れられない一日になったと思います。なお自主研修のテーマと成果については,11月30日(土)の京都研修報告会(午前の部)で紹介させていただきますのでお楽しみに。

最終日の4日目は,学年全体で狂言ワークショップと狂言鑑賞がありました。古典芸能の美しさと,演じられた『附子(ぶす)』の面白さに場内は笑いと感動でいっぱいになりました。

「狂言にはまりそう」と話していた生徒もいたほどです。

狂言鑑賞を終えると,最後のプログラム「選択コース別研修」です。

①奈良東大寺コース,②伝統工芸職人さんコース,③和装体験・太秦コースのうち,希望する行き先に分かれて体験や観光を行いました。

伝統工芸職人さんコースでは,伝統の技を受け継ぐ職人さん10名が今回の企画に賛同してくださり生徒を受け入れてくださいました。

奈良東大寺コースでは,圧倒的な存在感を放つ東大寺の迫力に多くの生徒が魅了されたようです。

和装コースは,はじめて和服を着用するという生徒も多かったようで,日本文化の美しさを肌で感じる良い機会になったと思います。

生徒の様子を見ていますと,出発までの事前学習と4日間の旅を通じて,自らテーマを設定し探究する姿勢や,集団行動に必要なチームワーク,目的やねらいを意識する力,あきらめずに食らいつく力がついたと感じています。

事後のアンケートでも多くの生徒が自分の成長を実感してくれたようです。

観光旅行ではない京都研修旅行がこうして幕を閉じました。(中2学年主任 山口太一)