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お知らせ

2024/02/20

タイ国際共同研究報告No.1 受入プログラムを実施しました

 慶祥・重点枠SSHの1年目より連携し、ともに国際共同課題研究プログラムを作り上げてきたタイのプリンセス・チュラポーン・サイエンス・ハイスクール・パトゥムターニー校(PCSHSP)との交流を実施しました。

 今年度の参加は、慶祥3名、札幌南1名、PCSHSP9名という少人数でしたが、参加生徒達は昨年末からLINEで連絡を取り合い、それぞれが興味を持つ研究テーマを提案し合いながら、3つの研究グループを決め、中身のディスカッションを進めてきました。




受け入れプログラム報告1日目~3日目


文:立命館慶祥高校1年 西島一樹



1日目 1月29日

 PCSHSPの生徒9名と先生3名が新千歳空港に到着し、2週間のプロジェクトがスタートしました。到着後すぐに慶祥理科室にてタイメンバーとの共同研究を開始。事前にLINEやGoogle Meetで実験計画を相談していたので、3チームとも素早く実験に取り掛かりました。各チームの研究テーマは以下の通りです。


“The material boards made from discarded wood scraps” タイと日本の廃材を利用したコルクボードの作成


“The analysis of the Correlation Between Peel Thickness and Color Impact on Sweetness Levels in Oranges Indigenous to Thailand and Japan by using Data regression”

タイおよび日本原産オレンジの果皮の厚さと色が甘さに及ぼす影響の分析


“The study of an efficient way to cook instant noodles”

インスタントラーメンの効率的な調理法の研究


 実験の合間には、チームごとに慶祥生が学校内を案内しました。生徒や先生との会話も多く、早速日本生徒と友達になったタイ生徒もいました。このプロジェクトでは、お互いにとって第二言語となる英語を使います。タイ生徒が話す英語はとても流暢で、PCSHSPの英語教育の高さを感じた1日目でした。



2日目 1月30日

 2日目は、立命館慶祥高校にて日本文化体験の日。国際局と菊池校長先生による歓迎会の後、タイメンバーは初めての和服に身を包み、折り紙体験と、茶道部による茶道体験を行いました。午後はPCSHSPのNaeem先生による数学の授業。タイの生徒とともにオイラーの定理を学びました。2日目になりお互いに緊張が解けたのか、質問や会話の数が多くなり、その後の共同研究の時間もスムーズに進みました。この日はタイメンバーが慶祥で活動する最終日だったので、「もう慶祥に来られないのか」という生徒もおり、より絆が深まった日となりました。



3日目 1月31日

 この日はバスに乗ってフィールドトリップへ。産総研北海道センターでメタンハイドレートや遺伝子学などの最新の研究を学びました。生徒も先生もメタンハイドレートの燃焼や実験機器に興味津々。タイメンバーの中にはメタンハイドレートの研究をしている人もおり、英語、タイ語、日本語の3か国語で様々な質問や解説が飛び交いました。午後は貸し切りバスで室蘭に向かい、日本製鉄北日本製鉄所の工場を見学しました。鉄鉱石から鉄製品になるまでの工程を、実際の生産ラインを見ながら解説していただき、巨大な機械の迫力を肌で感じました。その後伊達市に移動し、伊達歴史文化ミュージアムの刀鍛冶工房で、日本刀の鍛錬の工程を見学しました。飛び散る火花と大きな音に驚きながらも、生徒と先生数名が鋼を打つ作業を体験しました。通訳が大変でしたが、タイメンバーの理解力の高さにも助けられ、充実した3日目となりました。




受け入れプログラム報告4日目~6日目


文:立命館慶祥高校1年 高橋良介



2月1日

 この日は啓成高校で行われた北海道インターナショナルサイエンスフェア(HISF)というプログラムに参加しました。タイメンバーと日本人メンバーはそれぞれ別のグループとなって参加となりました。インドとマレーシアからの学生も交え、英語でのコミュニケーションに最初はチームの仲間も緊張していました。ただ、私のチームではタスクが発表され制作の時間が始まると、とにかく伝えたいという思いから全員が足りない英語を補って意思疎通をするチームワークが生まれ、最終的にはチーム全員が自信を持って発表へと移ることができました。24チーム中3位と好成績を残すことができ、全員で意見を出し合って最後まで制作した努力が結果として出てとても嬉しく感じました。



2月2日

 HSFSの2日目は日本大学高校でポスターセッションを行いました。チームでの研究はまだ途中の段階でしたが、全てのチームで途中段階までのポスターを作り、英語で発表を行いました。他の学校の発表を見る時間もあり、それぞれのチームの研究テーマや研究方法の工夫はとても刺激的でした。午後は大通りのAOAO札幌に訪れ、館内ではチーム関係なくみんなで周り、珍しい水中生物やペンギンを見て楽しみました。制作途中でしたが、札幌雪まつりの大通り会場を見たあと新篠津へバスで向かいました。新篠津では学校では習えない宇宙の講義を元立命館慶祥教員の山本修先生にしていただきました。宇宙の起源を元素から紐解いたり、未知の生命体からのメッセージなど興味深い講義に一同釘付けになって聞き入りました。この日はタイメンバーは新篠津温泉たっぷの湯に宿泊し、日本人メンバーは自宅へ帰宅しました。



2月3日

 2月3日は日本人メンバーが新篠津へ集合して活動を行いました。最初は1グループ4人ほどに分かれてワカサギ釣りをしました。初めてのワカサギ釣りは難かったですが、コツを掴んで4匹ほど捕まえたタイメンバーもいました。昼食を食べ終え、和太鼓体験と餅つき体験を行いました。地元の和太鼓クラブと交流を行い、一同和太鼓の迫力ある演奏に舌を巻きました。実際に演奏も体験させていただくことができ、とても貴重な体験となりました。餅つき体験では迫力の餅つきとお雑煮、きな粉餅などを楽しみました。その後みんなで雪合戦などをして遊び、最後に福田先生から日本でのプログラムの修了証書が手渡されました。タイメンバーからは日本メンバー一人一人にメッセージカードが送られ、プログラムの節目となる1日でした。



この交流事業はさくらサイエンスプログラムの支援を受けて実施しました。