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タイ国際共同研究報告 受入プログラムを実施しました

コラム

研究テーマをディスカッション
日本文化も共に体験

慶祥の重点枠・SSHの1年目より連携し、ともに国際共同課題研究プログラムを作り上げてきたタイのプリンセス・チュラポーン・サイエンス・ハイスクール・パトゥムターニー校(PCSHSP)との交流を実施しました。

今年度の参加は、慶祥3名、札幌南1名、PCSHSP9名という少人数でしたが、参加した生徒達は昨年末からLINEで連絡を取り合い、それぞれが興味を持つ研究テーマを提案し合いながら、3つの研究グループを決め、ディスカッションを進めてきました。

受け入れプログラム報告1日目~3日目

報告:立命館慶祥高校1年 西島一樹さん

1日目 1月29日(月)

 PCSHSPの生徒9名と先生3名が新千歳空港に到着し、2週間のプロジェクトがスタートしました。到着後すぐに慶祥理科室にてタイメンバーとの共同研究を開始。事前にLINEやGoogle Meetで実験計画を相談していたので、3チームとも素早く実験に取り掛かることができました。各チームの研究テーマは以下の通りです。

  • “The material boards made from discarded wood scraps” タイと日本の廃材を利用したコルクボードの作成
  • タイおよび日本原産オレンジの果皮の厚さと色が甘さに及ぼす影響の分析
  • インスタントラーメンの効率的な調理法の研究

実験の合間には、チームごとに慶祥生が学校内を案内しました。生徒や先生との会話も多く、早速日本生徒と友達になったタイ生徒もいました。このプロジェクトでは、お互いにとって第二言語となる英語を使います。タイ生徒が話す英語はとても流暢で、PCSHSPの英語教育の高さを感じた1日目でした。

2日目 1月30日(火)

2日目は、立命館慶祥高校にて日本文化体験の日。国際局と菊池校長先生による歓迎会の後、タイメンバーは初めての和服に身を包み、折り紙体験と、茶道部による茶道体験を行いました。午後はPCSHSPのNaeem先生による数学の授業。タイの生徒とともにオイラーの定理を学びました。2日目になりお互いに緊張が解けたのか、質問や会話の数が多くなり、その後の共同研究の時間もスムーズに進みました。この日はタイメンバーが慶祥で活動する最終日だったので、「もう慶祥に来られないのか」という生徒もおり、より絆が深まった日となりました。

3日目 1月31日(水)

この日はバスに乗ってフィールドトリップへ。産総研北海道センターでメタンハイドレートや遺伝子学などの最新の研究を学びました。生徒も先生もメタンハイドレートの燃焼や実験機器に興味津々。タイメンバーの中にはメタンハイドレートの研究をしている人もおり、英語、タイ語、日本語の3か国語で様々な質問や解説が飛び交いました。午後は貸し切りバスで室蘭に向かい、日本製鉄北日本製鉄所の工場を見学しました。鉄鉱石から鉄製品になるまでの工程を、実際の生産ラインを見ながら解説していただき、巨大な機械の迫力を肌で感じました。その後、伊達市に移動し、伊達歴史文化ミュージアムの刀鍛冶工房で、日本刀の鍛錬の工程を見学しました。飛び散る火花と大きな音に驚きながらも、生徒と先生数名が鋼を打つ作業を体験しました。通訳が大変でしたが、タイメンバーの理解力の高さにも助けられ、充実した3日目となりました。

受け入れプログラム報告 4日目~6日目

報告:立命館慶祥高校1年 高橋良介

2月1日(木)

この日は、啓成高校で行われた北海道インターナショナルサイエンスフェア(HISF)というプログラムに参加しました。タイメンバーと日本人メンバーはそれぞれ別のグループとなって参加しました。インドとマレーシアからの学生も交え、英語でのコミュニケーションに最初はチームの仲間も緊張していました。ただ、私のチームではタスクが発表され制作の時間が始まると、とにかく伝えたいという思いから全員が足りない英語を補って意思疎通をするチームワークが生まれ、最終的にはチーム全員が自信を持って発表へと移ることができました。24チーム中3位と好成績を残すことができ、全員で意見を出し合って最後まで制作した努力が結果として出てとても嬉しく感じました。

2月2日(金)

HSFSの2日目は日本大学高校でポスターセッションを行いました。チームでの研究はまだ途中の段階でしたが、全てのチームで途中段階までのポスターを作り、英語で発表を行いました。他の学校の発表を見る時間もあり、それぞれのチームの研究テーマや研究方法の工夫はとても刺激的でした。午後は大通りのAOAO札幌を訪れ、館内ではチーム関係なくみんなで回り、珍しい水中生物やペンギンを見て楽しみました。制作途中でしたが、札幌雪まつりの大通り会場を見た後、新篠津へバスで向かいました。新篠津では学校では習えない宇宙の講義を、元立命館慶祥教員の山本修先生にしていただきました。宇宙の起源を元素から紐解くなど、未知の生命体からのメッセージといった興味深い講義に、一同釘付けになって聞き入りました。この日は、タイメンバーは新篠津温泉たっぷの湯に宿泊し、日本人メンバーは自宅へ帰宅しました。

2月3日(土)

2月3日は日本人メンバーが新篠津へ集合して活動を行いました。最初は1グループ4人ほどに分かれてワカサギ釣りをしました。初めてのワカサギ釣りは難しかったですが、コツを掴んで4匹ほど捕まえたタイメンバーもいました。昼食を食べ終え、和太鼓体験と餅つき体験を行いました。地元の和太鼓クラブと交流を行い、一同和太鼓の迫力ある演奏に舌を巻きました。実際に演奏も体験させていただくことができ、とても貴重な体験となりました。餅つき体験では迫力の餅つきとお雑煮、きな粉餅などを楽しみました。その後みんなで雪合戦などをして遊び、最後に福田先生から日本でのプログラムの修了証書が手渡されました。タイメンバーからは日本メンバー一人一人にメッセージカードが送られ、プログラムの節目となる1日でした。

2月10日(土)の午後、円山動物園の動物科学館にて、マレーシア環境コース研修での学びを発表しました。当日は、保護者の方だけでなく、お忙しい時間の中で飼育員さんも参加してくださいました。まずは団長の佐々木さん、神田さん、福村さん、黒田さんが班で作成した『ボルネオ島のリアル』について、学びをまとめたポスターを口頭発表。その後、神田さんが作成したマレーシア研修の8日間の様子の発表がありました。パワーポイントを使用しながら、感想やコメントを添えて、研修の様子をいきいきと紹介していて、すばらしい発表でした!

その後、各班でのポスター発表があり、保護者の方、飼育員の方々が聞いてくださいました。質問もいただくことができ、非常に良い学びの場となりました。飼育員さんの担当している動物の話を含めて会話ができたことを、生徒たちはとても喜んでいました。

今後は、グローバルフェスティバルでの発表、オープンスクールでの発表があります。円山動物園の方々に、学習の機会と発表の場をいただき、感謝と御礼を申し上げます。

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